雪子 a.k.a.のレビュー・感想・評価
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かなりリアルで実に現実的な作品です
学校の先生の大変さ、苦労が丁寧に表現されていました。
それでいて先生のやりがい、魅力も醸し出しながら、とても丁寧に作られていました。
はじめは先生とラップが結びつかなかったのですが、見ているうちに職場のオンとオフの繋がりが見えてきた気がしました。
子どもたちと気持ちが通じた時には、自然と涙がでてきました。
素晴らしい作品です。
他人が決めた"正しい結論"より 自分できづいた"道"
ラップ映画だと言うので、鑑賞を止めようかと 迷いましたが
各所での評価が高いので、見る事にしました。
A.K.Aとは「Also known as」即ち、「通称」という意味です。
映画の題名が「SAYURI A.K.A」でない と言う事は、
"自我に目覚めた"という 人生のタイミングを描いた作品なのですね。
職場(学校)でも 友人間(ラッパー仲間)の中でも、存在感がなく
ただ世の中に流されているだけで、自分の意思で生きていない まだ自分が誰なのかも
解かっていない 子供の延長である女性を熱演した山下リオさんの、
初々しい演技がとてもよく、主人公の"自信のなさ"をうまく表現できていて
素晴らしかった。
本来なら、もう少し年齢が上の"オールドミス"が演じるだろう 熟練先生である 大迫先生は、良い"道しるべ"だったと思います。
どの小役さんも、自分の世界を持っていて、とても素敵でした。
特にピアノが大人顔負けに上手い男の子は、将来が楽しみです。
いまどきの小学校は、廊下や教室棟の建物に木が多く使われていて、素敵です。「明星小学校」なのでしょうか?
食器はポリエチレンではなく、メラミン樹脂、で、箸で食べる給食は 僕らの時代と違って、とても美味しそうでした。
子供達が食べていた ハンバーグも Good!
この映画を観たら「小学校 それは小さな社会(2024年)」と併せて観ると、これからの小学校教育の在り方が、それぞれに見えてくる気がします。
【2025/04/25✩⃛初回観賞】 評価:3.3 【2025/0...
【2025/04/25✩⃛初回観賞】 評価:3.3
【2025/05/19✩⃛2度目観賞】 評価:3.3 ➡︎ 3.3
あまりないことだけど初回観た後でレビューするのすっかり忘れてた珍し案件。
初見の感想は『10年早く観てたら感想違ったのかな?』だった。あまりに周りの評価が高いので何か見落としてたのか??と思って2度目観賞実施。
観心地は良いのよ。基本的に悪い人誰も出てこないし。ちょいウザはいるけど。だから何度だって観られる。でもやっぱり刺さらない。2度目はさらに冷静な目で観てて、『みんなどこがそんなに刺さるのか…』と。
共感するには歳取りすぎちゃったのかな……
でも自分が雪子の歳のときにあんなん感じてなかったしな。
きっと自分の経験値の低さが邪魔してるのだな。
ということは経験値上がったらめちゃ共感する日が来ちゃうかも💛
何この共感
29歳の私は旦那も子供もいたし退職していた。先生でもなかった。でも不思議なことに、特に前半は共感の嵐だった。
雪子のどこに自分を見たのかは分からない。だけどこれは自分だと思った。
ラストに雪子の笑顔があるがいつまで続くだろう。明日は明日の風が吹くように、明日は明日の不安がある。29歳。10歳。50歳。70歳。人は多かれ少なかれ不安の中にいると思う。そう考えて年齢の違う雪子に自分を見たのだろうか。
自分が自分で良かったと思うなんて一年に一回あるかどうか。でも雪子の笑顔にはその思いの只中にいるように感じる。羨ましい。
ヒップホップという訳にはいかないが、私も好きなものをもう少し深めてみようかな。そう思わせる心良さ。これまた謎だが、観ていて何も焦ることなく不思議な安堵感に包まれる物語だった。
最高の映画
山下リオ(雪子役)の演技が良い。教師の顔とラッパーの顔、全く違うのが面白く、物語に引き込まれる。脚本、撮影、編集が上手いので展開に安心して身を委ねることができる。
そして最後まで飽きない。日々発生する仕事上、私生活上の出来事に真摯に向き合う雪子に共感し、心を奪われた。いつまでも余韻が残る素晴らしい映画だと感じました。この映画を分類するとどういう映画に当たるかなと考えたとき、はっきり分類しずらい。けれど、そこがまた良い。
映画パンフによると企画の途中で「「学校の先生でラップ好き」というアイデアが出てからこの物語が生まれた」とのことで、この構想も成功の要因と思える。
後半で、長崎ロケを入れたことも物語に素晴らしい広がりを与えていた。不満点を敢えて言うと、雪子の、恋人への想いの変化をもう少しわかりやすく描いて欲しかったかな。終盤、ピアノが得意な少年および父親とのやりとりも印象深い。
こんなに静かで誠実で丁寧な映画だったとは
ヒップホップを愛する小学校の若い女性教師が夜にはラッパーとしてライムを綴るお話です。先生とラップという組み合わせの新しさから、彼女が日々の鬱憤を一気にぶった切る物語かと思ったら全く正反対の作品でした。
彼女は、誠実に生きたいと願いつつ迷いや躊躇いをラップで丁寧に綴るのです。その細やかな言葉選びが観る者の胸に静かに響きます。僕がラップに全く馴染めないのは、互いに初対面の人間同士が相手を罵る様に噛みつくMCバトルの言葉の暴力性が不快だからです。なぜいつも喧嘩腰なんだ? 「互いに手を取り合おう」というラップじゃダメなのか? 「自分には攻撃なんて出来ない」ではラップにならないのか? 内省的・後ろ向き・独り言のラップでいいじゃないか、と考えてしまうのです。しかし、本作の雪子のラップにはその戸惑いが感じられました。それ故、終盤のピアノのカノンに乗せたラップは拙いにもかかわらず思わずウルウルと来てしまったのでした。
誠実に丁寧に作られた映画だったと思います。
観たい映画の時間調べてたら山下リオ主演映画?しかもラッパー役?え...
観たい映画の時間調べてたら山下リオ主演映画?しかもラッパー役?え、何?となって、予定変更して観たら山下リオさん良かったし、映画も良かった。教師兼アマチュアラッパーという簡単には結びつかなそうな設定それ自体がこちらの無自覚な偏見やバイアスへのカウンターとして機能する仕掛けになっていたり、教師のブラックな職場環境と仕事の醍醐味両面をちゃんと見せつつMCバトルの面白さも堪能出来たりで、ホントの自分とは?みたいな繰り返し語られ使い古されたテーマを今風の切り口で語り直した新鮮な作品だった。百合とは言わんけどシスターフッド映画と言えるあたりも個人的にはポイント高かったな…。あと山下リオさんのラップ、聴いてて微妙に居た堪れずモゾモゾしてくる感じ、どこまでが狙いか分からんけどリアルだったよ…。
小学校の教員、29歳女性のお話。 学校や私生活では、不安だらけで口...
私が常にトレンド
「一人の人間は、分けられない存在ではなく、複数に分けられる存在である。だからこそ、たった一つの「本当の自分」、首尾一貫した、「ブレない」本来の自己などというものは存在しない」
作家の平野啓一郎の言葉である。小学校の教師とラッパーのふたつの顔をもつ雪子から、この言葉を連想した。雪子はおそらく教師としての自分とラッパーとしての自分の両方に、本当の自分を探しているような気がした。だからおのずと苦しくなる。
本作では、「自信」を「自分を信じること」と定義して、「他信」という他人が考えた正解を信じることを否定している。雪子の同僚の女性教師が言っているように、「時代の主流なんてどうでもよくて、今の私が常にトレンドだよっていう気持ちです」という言葉に共感を覚える。
平野氏が言っているように、本当の自分を探さなければ、「本当の自分」が人間を隔離する檻にならない。いろいろな自分が、コミュニケーションを呼び、本作の冒頭のSDGSの標語「誰一人取り残さない」につながっていく。
雪子は、ひきこもりのクラスの教え子の家に足しげく通う。教え子は家でピアノを弾き続け部屋から出てこない。
教え子の父親は、夫婦であらゆる引きこもりの本を読んで正解を求めたが効果がなかった、と言う。だが、彼が雪子に言った、「先生は気の利いたことは言えないけれど、嘘はついていない」という一言が心に響いた。
世の中に正解がないように、本当の自分もいない。けれど自分にも他人にも嘘はつかない。そう思ったら、なぜか涙がこみあげた。
んー、めっちゃ良かった! 特別な能力や、生きがい、強烈な自我とか ...
人に嫌われる事を恐れ本音が言えない小学校の女性教師が、ラップを通じて自分の殻を破って行く感じの作品。 本年度ベスト!
隙間時間に観られる作品が本作だけだったけど、思った以上に素敵な作品に巡り会えてしまった(笑)
小学校教師の雪子。
子供達にソコソコ好かれ、彼氏ともソコソコの関係。
夜中の公園で仲間達とラップを楽しむのが趣味。
子供達や彼氏と無難な会話で本心が言えず、仲間とのラップで本音を歌にしている感じだけど、まだまだ感情表現が甘い(笑)
彼氏から求婚されるもかわしたり、登校拒否の子供の自宅でも表面的な会話しか出来ず、ドア越しに一方的に喋り自分を納得させてる感じ。
彼氏と喫茶店で注文した飲み物が逆に提供されるも、店員に何も言えないシーンが彼女の性格を表現して印象に残る。
そんな雪子が実家の九州に帰省し、ラップのバトルに参加。
対戦相手の本質を突く様な熱いラップのセリフに心を動かされ、雪子の発言に変化が生まれる展開。
学校に戻り登校拒否の子供に言いたい事を言う雪子の姿が印象に残る。
夜の学校でその子供が弾くクラッシックのピアノに合わせ、ラップで自分の気持ちを伝える姿に泣けた。
ってか、ラップって格好良いし素敵な音楽ジャンルだな!
本作は捻りの無いストレートで単純なストーリー。
それが雪子の気持ちの変化がダイレクトに伝わって来た印象。
子供達の演技も素晴らしかった!
皆さん上手いと言うか、喋りや行動が自然で全く違和感ある人がいないのが凄い!
雪子を演じた山下リオさん。
美しくラップの歌声も最高だった。
調べたら過去に彼女よ出演作を7本観てたけど全くノーマークだった(笑)
今後に注目する女優さん。
雪子のお父さん役は石橋凌さん。
本作は笑いを取る作品じゃないけど、変装したり美味しい料理を作るレシピの秘密など、想像以上に笑わせてくれました( ´∀`)
素晴らしい!キャストがみないい
凄くよかった。そんな予算がありそうにもないのにビックリするくらい豊かに作られているのはキャスティングが素晴らしいからなのか。しかし撮影もとてもいい。
ラップのことはよく知らないけど、とにかく丁寧に切り取られたカットの中で、山下リオならではの優しさや弱さやそれをなんとかしたいというキャラクターの説得力がラップバトルで喰らってる顔から滲み出て、完全に石橋凌演ずるお父さんと同化し、引きこもりの男の子のお父さんのひとことにそうだ!と涙を流し、あとはもう持っていかれた。
山下リオがなぜラップなのか、とか前半部でもっとテーマというか的の絞り方がうまかったらもっともっていかれたかもですが、アート映画ではなく、一般のお父さんお母さんとか観たらもっと広がりそうないい映画だった。
名前の由来は知ってる?
30才目前の小学校教師、雪子。日々生徒の様子に目配り気配り、遅くまで雑務に追われ、週一で不登校生徒の自宅訪問。同じく教師の彼氏との関係。自分をさらけだし本音を言えるのは最近始めたラップだけだと思っているが、周りからは何も響いてこないと言われる始末。
いや、小学校の先生やること多過ぎ!雪子生徒からも慕われてめちゃくちゃいい先生やん。そしてめっちゃかわいい自慢の彼女やん。溜め込んでいっぱいいっぱいになっちゃってる葛藤がうまく描かれていたし、最後のラップで語りかけるシーンはめっちゃジーンとした。
私はラップの世界はよく分からないし、初心者相手にそんな気持ちでやるなら消えろみたいなのもどうかと思ったけど、それぞれのスタイルがあるようでなかなか興味深かったです。山下リオほんまにかわいいし、やっぱ池田良がいい。そして渡辺大知の歌声まで聴けたので満足です。
さぁでは、せっかくなのでそろそろはじめYOか!誰一人取り残さない社会っていう嘔吐が出そうなスローガンの答え合わせを。
万全が安全
お父さんはロッカー
仕事に趣味に恋愛に人生に悩む不器用な小学校教師の話。
週末の公園で仲間とフリースタイルラップに興じる様になって1年弱、宿題でインチキをする子や不登校の子に向き合ったり、他の教師に合わせたり、彼氏から結婚のプレッシャーが掛かったりという中で、自分と向き合うストーリー。
サッカーは4年負け組だけど、一緒に働く先生たちと連携し、気付き助け助けられ、と先生たちはもちろん、親も彼氏も悪い人が出てこない。
…嫌がってる初心者を引っ張り出して、コテンパンにしてマウント取るスタイルには感心出来なかったけどね。
お堅くみえた先輩先生は神だったし、チャラくみえた後輩先生も実はちゃんとみえているし、そしてそれを受け取る回り道でマイペースな主人公は、実はド直球を投げてるし。
ちょっと彼氏はかわいそうだったけれど、優しく温かく前向きでとても面白かった。
40年前のパンク蛹化の女を凌いだ
吉祥寺辺りで小学校4年2組の担任を務めMCサマーというラッパーの顔も持つ雪子という長崎出身アラサーの悶々とした日々をリアルにあまりにも真っすぐに丁寧に優しく細やかに描き切った今年イチの傑作である。今のところ東京では渋谷のユーロスペース1館での上映が始まったばかりなのだけれどラップ映画としても「SRサイタマノラッパー」を小指で弾き飛ばすくらいのパワーを持っていてそれがリアル小学校教育現場と不登校の天才ピアニストが奏でる♪カノンに乗せて雪子がラップするクライマックスはそれが私自身の青春80年代戸川純「パンク蛹化の女」とA.R.B.石橋凌に呼応して泣けてしょうがない。誰がどう仕組んでくれたのかこの映画に偶然に必然的に出会ってしまったことよ、アーメン。
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