雪子 a.k.a.のレビュー・感想・評価
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んー、めっちゃ良かった! 特別な能力や、生きがい、強烈な自我とか ...
人に嫌われる事を恐れ本音が言えない小学校の女性教師が、ラップを通じて自分の殻を破って行く感じの作品。 本年度ベスト!
隙間時間に観られる作品が本作だけだったけど、思った以上に素敵な作品に巡り会えてしまった(笑)
小学校教師の雪子。
子供達にソコソコ好かれ、彼氏ともソコソコの関係。
夜中の公園で仲間達とラップを楽しむのが趣味。
子供達や彼氏と無難な会話で本心が言えず、仲間とのラップで本音を歌にしている感じだけど、まだまだ感情表現が甘い(笑)
彼氏から求婚されるもかわしたり、登校拒否の子供の自宅でも表面的な会話しか出来ず、ドア越しに一方的に喋り自分を納得させてる感じ。
彼氏と喫茶店で注文した飲み物が逆に提供されるも、店員に何も言えないシーンが彼女の性格を表現して印象に残る。
そんな雪子が実家の九州に帰省し、ラップのバトルに参加。
対戦相手の本質を突く様な熱いラップのセリフに心を動かされ、雪子の発言に変化が生まれる展開。
学校に戻り登校拒否の子供に言いたい事を言う雪子の姿が印象に残る。
夜の学校でその子供が弾くクラッシックのピアノに合わせ、ラップで自分の気持ちを伝える姿に泣けた。
ってか、ラップって格好良いし素敵な音楽ジャンルだな!
本作は捻りの無いストレートで単純なストーリー。
それが雪子の気持ちの変化がダイレクトに伝わって来た印象。
子供達の演技も素晴らしかった!
皆さん上手いと言うか、喋りや行動が自然で全く違和感ある人がいないのが凄い!
雪子を演じた山下リオさん。
美しくラップの歌声も最高だった。
調べたら過去に彼女よ出演作を7本観てたけど全くノーマークだった(笑)
今後に注目する女優さん。
雪子のお父さん役は石橋凌さん。
本作は笑いを取る作品じゃないけど、変装したり美味しい料理を作るレシピの秘密など、想像以上に笑わせてくれました( ´∀`)
素晴らしい!キャストがみないい
凄くよかった。そんな予算がありそうにもないのにビックリするくらい豊かに作られているのはキャスティングが素晴らしいからなのか。しかし撮影もとてもいい。
ラップのことはよく知らないけど、とにかく丁寧に切り取られたカットの中で、山下リオならではの優しさや弱さやそれをなんとかしたいというキャラクターの説得力がラップバトルで喰らってる顔から滲み出て、完全に石橋凌演ずるお父さんと同化し、引きこもりの男の子のお父さんのひとことにそうだ!と涙を流し、あとはもう持っていかれた。
山下リオがなぜラップなのか、とか前半部でもっとテーマというか的の絞り方がうまかったらもっともっていかれたかもですが、アート映画ではなく、一般のお父さんお母さんとか観たらもっと広がりそうないい映画だった。
名前の由来は知ってる?
30才目前の小学校教師、雪子。日々生徒の様子に目配り気配り、遅くまで雑務に追われ、週一で不登校生徒の自宅訪問。同じく教師の彼氏との関係。自分をさらけだし本音を言えるのは最近始めたラップだけだと思っているが、周りからは何も響いてこないと言われる始末。
いや、小学校の先生やること多過ぎ!雪子生徒からも慕われてめちゃくちゃいい先生やん。そしてめっちゃかわいい自慢の彼女やん。溜め込んでいっぱいいっぱいになっちゃってる葛藤がうまく描かれていたし、最後のラップで語りかけるシーンはめっちゃジーンとした。
私はラップの世界はよく分からないし、初心者相手にそんな気持ちでやるなら消えろみたいなのもどうかと思ったけど、それぞれのスタイルがあるようでなかなか興味深かったです。山下リオほんまにかわいいし、やっぱ池田良がいい。そして渡辺大知の歌声まで聴けたので満足です。
さぁでは、せっかくなのでそろそろはじめYOか!誰一人取り残さない社会っていう嘔吐が出そうなスローガンの答え合わせを。
万全が安全
お父さんはロッカー
仕事に趣味に恋愛に人生に悩む不器用な小学校教師の話。
週末の公園で仲間とフリースタイルラップに興じる様になって1年弱、宿題でインチキをする子や不登校の子に向き合ったり、他の教師に合わせたり、彼氏から結婚のプレッシャーが掛かったりという中で、自分と向き合うストーリー。
サッカーは4年負け組だけど、一緒に働く先生たちと連携し、気付き助け助けられ、と先生たちはもちろん、親も彼氏も悪い人が出てこない。
…嫌がってる初心者を引っ張り出して、コテンパンにしてマウント取るスタイルには感心出来なかったけどね。
お堅くみえた先輩先生は神だったし、チャラくみえた後輩先生も実はちゃんとみえているし、そしてそれを受け取る回り道でマイペースな主人公は、実はド直球を投げてるし。
ちょっと彼氏はかわいそうだったけれど、優しく温かく前向きでとても面白かった。
40年前のパンク蛹化の女を凌いだ
吉祥寺辺りで小学校4年2組の担任を務めMCサマーというラッパーの顔も持つ雪子という長崎出身アラサーの悶々とした日々をリアルにあまりにも真っすぐに丁寧に優しく細やかに描き切った今年イチの傑作である。今のところ東京では渋谷のユーロスペース1館での上映が始まったばかりなのだけれどラップ映画としても「SRサイタマノラッパー」を小指で弾き飛ばすくらいのパワーを持っていてそれがリアル小学校教育現場と不登校の天才ピアニストが奏でる♪カノンに乗せて雪子がラップするクライマックスはそれが私自身の青春80年代戸川純「パンク蛹化の女」とA.R.B.石橋凌に呼応して泣けてしょうがない。誰がどう仕組んでくれたのかこの映画に偶然に必然的に出会ってしまったことよ、アーメン。
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