「自信がないから人の痛みがわかる割に彼氏には冷たい女」雪子 a.k.a. minavoさんの映画レビュー(感想・評価)
自信がないから人の痛みがわかる割に彼氏には冷たい女
たまたまチケット取る日間違えて行ったら、監督とダンサーのshojiさんのトークショー。
小学校の女教師、雪子(29)が趣味でラッパーやってる話。
教師としても、ラッパーとしても自信がない雪子。唯一の相談相手が、同じ職業の彼氏(渡辺大知)。何一つ不自由はないはずなのに、将来に不安な若者を優しく描く。
雪子のラップがヘタクソ。だがこれはあとあと、本人が課題解決のためのある種の訓練だとわかる。よくあるエンタメみたいに、メンターもおらず、ラップでのしあがるとかはなし。
トークショーでshojiさんが、監督は元々ラップと縁がなかったから、安易にエンタメ化することなく、ラップの本質的なおもしろさが表現できたと話されたが、ボクには伝わらなかった。
でもその後、ご自身のダンスについて、お客様に見せる時に、ダンスってすごいでしょ、と思わないように、ダンスはつまらないという前提で、演出しているという話にはグッときた。
会社の仕事でもお客さんと対峙する時は、こちらがわかることだけ伝えるんじゃなくて、ホントはどう答えてほしいかを汲み取らないと信頼してもらえないと思ってる。
監督もまだ34歳だそうで、トークショーからもご自身を雪子のキャラクターに投影してるように感じた。
ひとつだけ、物申すならラストの発表会の描き方について。あの描き方だと子どもも一芸を持たないといけないように感じてしまう。伸びやかに生きていく、雪子が見たかった。
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