「高い演出技術、高くないシナリオ技術というか」アポカリプスZ 終末の始まり 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)
高い演出技術、高くないシナリオ技術というか
Amazon MGM作品
演出技術は高い、
シナリオ技術以前の、
プロット、作品の世界観つくりに難点あり。
丁寧なオープニングから緊迫感のあるパンデミックの描写まで、
演出面では高い技術を見せる。
特に、空港でのアウトブレイクシーンは、
限られた情報の中で観客の不安を煽り、
巧みに物語へと引き込む。
また、物量で勝負できない状況(予算は高くないと推察)下で、
身体能力の高いゾンビ(一部だけ)というアイデアは、
作品の独自性を際立たせている。
しかし、シナリオ面においては、
既視感のある展開が多く、
ゾンビ映画やアポカリプスものファンの中には、
物足りなさを感じる人もいるだろう。
特に、非常事態における登場人物たちの行動や、
ゾンビの特性に関する設定は、
従来のゾンビ映画の枠組みから大きく外れるものでもない。
本作は、小規模なコミュニティで物語が展開されることで、
より深みのあるドラマを描けた可能性を秘めていた。
しかし、世界規模のパンデミックという設定ながら、
物語は特定の場所にとどまり、大規模な社会崩壊を描写しきれていない。
終末の始まりであれば、
思い切って小さな事からコツコツと始めていれば楽しめたかも。
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