劇場公開日 2025年1月10日

「テルがひとり立ちしていく物語」Welcome Back ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0テルがひとり立ちしていく物語

2025年2月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

兄弟のように育ったテル(吉村界人)とベン(三河悠冴)。
テルはずっとベンの憧れであり、ボクシングで絶対負けない絶対的な存在だったのだが、
北澤(宮田佳典)に負けてからは、ベンの復讐(というのもおかしな話だが)のために
東京から北澤のいる大阪までのロードムービーなっていく。
※前情報がなければロードムービーになること自体意外である

この二人を心配する青山(遠藤雄弥)の存在が超大事だ。
青山はかつてテルに負けたボクサーだが、どうにもこの二人の行く末が気になるらしい。
大阪までの旅路をサポートする何ともいいやつだし、彼もまたテルからの敗戦をひきずっているに違いない。

途中で気づいたが、これはテル視点の話であり、ベンが中心人物ではない。
実は青山がナビゲーターとなり、話を展開させている。
そして強力な絶対的な敵、北澤の存在がベンをひとり立ちさせていくし、
ベンがひとり立ちしたことで、テルもようやく前を向き始める、、、という、なんとも清々しい作品。

やっぱりこういう佳作に出会えるのが単館系の映画作品。
今週観たシネコン系のメジャー邦画はもちろん素晴らしいのだけれど、
邦画には単感でも滋味溢れる作品がたくさんある。

これが映画鑑賞の醍醐味だとあらためて思った。

ひでちゃぴん
Yumさんのコメント
2025年2月9日

良い作品に出会えると嬉しいですよね(^_^*)

Yum