劇場公開日 2025年1月10日

「負けた後のWelcome Back」Welcome Back HKさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0負けた後のWelcome Back

2025年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

厳しい戦いの世界において、
頂点に立つひと握りの人間を除いて、他はすべて負ける運命にあって、
だから、憧れや羨望でなく、本当に共感できるのは負ける姿、
負けても一途な姿なんだと思わされた。

主人公テルは、日常ちょっと不真面目なところもあるけど、
ベンへの愛情に溢れて、不器用だけど純粋で魅力的。
青山や彼女?との会話も楽しい。

テルと兄弟のように育ったベンは、
ボクシングを通じていつのまにかテルの分身、親子のようになり
成長し、巣立っていく関係性の変化がちょっと不思議で面白い。

青山はおそらく多くの人が親近感をもつ普通の人間で
彼とテル、ベンが絡んで、彼から見た二人も表現されて
物語がより多層的に豊かになっている。

タイトルを回収する日常的なシンプルなラストもいい。

予告編からは全編ケンカ上等的なイメージを強く感じましたが、
チャンピョンの北澤やセコンド等々も含めた個性的な登場人物たちのセリフも典型的ではなくて面白く、
ドラマの要素も満載で、完全にイメージを覆されました。

もちろんボクシングシーンはかっこいいです。

HK