ノー・アザー・ランド 故郷は他にないのレビュー・感想・評価
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アラブ社会と白人社会の見方が変わる
観て本当によかった。フィクションでなくドキュメンタリー映画ですが、アラブ社会と白人社会の見方が変わる映画だと思うし、パレスチナの人達の人柄に心を動かされました。(特にバゼルに)
生きるのが過酷な状況な中で、ドキュメンタリー取り続けた、魂の結晶の様な映画です。地球人ならみんな観た方がいい映画です。
95分間の理不尽。
日本でも似たようなことが起きているような…
基本的には「イスラエル軍がパレスチナ人の家をブルドーザーで破壊」→「パレスチナ人がイスラエル軍に抗議デモ」の繰り返し。
家壊して道具奪って井戸をコンクリートで埋め立てて水道管を切断。
ほぼ殺人では?
映像は手ブレ画面多め。
あと、動画を撮影しているパレスチナ青年・バーセルがイスラエル軍に捕まりそうになって必死に逃走する場面も多い(『電波少年』を思い出した)。
個人的に衝撃的だった場面が2つ。
1つ目はスマホの縦長画面で撮影された、パレスチナの中年男性がイスラエル軍に抗議していたところ、感情的になったイスラエル兵が中年男性を銃撃する場面。
映画で人が撃たれるところなんて腐るほど見てきたが、本物は初めてかもしれない。
単純に気分が悪くなった。
もう一つはバーセルがイスラエル軍に拘束されそうになった時、バーゼルの父親が突撃してきて、撃たれるのを覚悟で兵を制し、バーゼルに「逃げろ!!」と叫ぶ場面。
これも映画でなら似たような画は何度も見たことあるが、本当に命をかけて人を救おうとしているのを見たのは初めてかもしれず、心震えた。
本作はパレスチナとイスラエルの青年監督二人に友情が芽生えていくところが見どころだと思うが、それで状況が何一つ改善されていかないのが悲しい。
パレスチナの人々がイスラエル兵の目の前で真っ当な訴えを全力で呼びかけても、イスラエル兵はどこ吹く風。
この感じ、どこかで見たことある。
辺野古基地建設に反対する住民の訴えを目の前で聞いている時の警察の顔と同じ。
考えてみれば、人道的な人間だとしたら非道な行いを繰り返すイスラエル軍なんてとっくに辞めているはずで、兵隊を続けている時点でまともな人間ではないのかもしれない。
あと、何も悪いことをしていないパレスチナ人に対してもイスラエル軍が非人道的な行いをしているのを見て、個人的には日本でのクルド人差別を連想。
悪いことをしたクルド人が批判されるのは仕方ないにしても、子供も含めたクルド人全体に対して誹謗中傷の嵐。
今はまだ一部の差別主義者がSNSで活動しているだけだが、トランプ的思考の政治家が日本で政権を握ったら、『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』の日本版ができても不思議ではない。
いろいろ言いたいことはありますが、ネタバレになってしまうので詳しく...
いろいろ言いたいことはありますが、ネタバレになってしまうので詳しくは書きません。
とにかくみんな見た方がいい映画です。
パレスチナ支持、イスラエル支持、中立派、無関心に関わらず、一度、見てみてください。
歴史に残る事態が起きている今だからこそ、見る意味があると思います。
今起きていることが歴史の教科書に載ってからでは遅い。
将来、子どもや孫が歴史の勉強でこの問題に触れた時に、あなたは親として、或いは、祖父母として、「知らなかった」と言うのか、今、映画を見て「あの時、私は、、、」と語ることができる大人になるのか。
これは、自分がどんな世界に生きたいか、或いは、子どもたちにどんな世界に生きてほしいか、その世界のために自分に何ができるのか、何をするのか、そういうことを問う映画。
監督たちが私たちに投げかけるのは、答えのない問いのようで、
まるで哲学対話のような映画だと感じました。
映画を見て終わり、ではなく、ずっとその問いに向き合いたいと思います。
そして、何より行動する勇気を貰った気がします。
とりあえず、今、一番見てほしい映画です。
世界が無視し続けてきたパレスチナ
鬼畜の所業
第95回『ナワリヌイ』、第96回『実録 マリウポリの20日間』と、最近は国際的な政治問題が題材となる作品が受賞する傾向が見えるアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞。今年で言えばやはり本作『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』が、前哨戦の実績から言っても有力と思われますが結果は如何に?
そもそも、アメリカの映画産業はユダヤ系の人材と資本があってこそ発展してきたこともありますが、今回(第97回)のアカデミー賞ノミネート作品をみていくと『ブルータリスト』『セプテンバー5』『リアル・ペイン 心の旅』など、映画の題材にユダヤが関連する作品が並ぶ中、断然に目立っている本作の行方が「特に」気になります。
2023年10月から続く「ガザ情勢」をきっかけに、改めて「パレスチナ問題」を振り返って理解しようとする機会も増えましたが、やはりネックとなるのはその複雑さ。と、ここで諦めては同じことの繰り返しですし、見方を変えればむしろ誰にも判る単純な「人道的な問題」については、例えどんな立ち位置にいても無視してはいけない事実です。
今作はまだまだ情勢の悪化の懸念が消えない「ガザ地区」ではなく、もう一方のパレスチナ自治区である「ヨルダン川西岸地区」が舞台。1947年の国連分割決議以降もイスラエルからの入植活動が続き、実質的な面積はどんどんと小さくなっています。本作はそんな過酷で不条理な現状を身を挺して映像に残し、世界へ発信し続けるパレスチナ人青年バーセルとユダヤ人青年ユバル等の活動を見せるドキュメンタリー。
ある日突然、パレスチナ人が居住する村に現れるイスラエル軍と役人。女性や子供の前でも躊躇することなく銃を向け、100年以上前からそこで生活してきた人々の家を重機で壊し、更には自動車や資産を奪っていきます。そして、その様子をカメラに収め取材し続けるバーセル達に対し、銃を向けながら「敵」と叫んで追いかけまわす過激な入植者達(おそらく一般人)も加わる様子は、言葉を選ばずに言えば実に「鬼畜の所業」。冷静に見続けることが辛くなるほど怒りが込み上げる95分は正直しんどいですが、命を張って訴える彼らから目を逸らすわけにはいきません。
果たして、アカデミー会員たちはこれをどう観て評価するのか、正に賞の真価が問われる一本。ある意味、トランプの迷惑な「思いつき政策」よりよっぽど影響があるのでは?と期待しつつ、授賞式に注目です。
日本では報道されないイスラエルの蛮行
この作品では、ヨルダン川西岸地区でイスラエル軍とイスラエル軍に守られた入植者が、パレスチナ人の村を破壊し、土地を奪う様子が描かれている。ヨルダン川西岸地区はイスラエルの領土ではないが、イスラエル軍は、ある日突然、以前からあるパレスチナ人の村を軍用地に指定する。すると軍用地にある建物は違法建築になり、合法的に破壊されることになる。ユダヤ人には出来ないことがパレスチナ人相手だと許されてしまうイスラエル社会は異常である。イスラエルのユダヤ人は感覚が麻痺しているが、彼らのやっていることはナチスドイツによるユダヤ人の抑圧と同じである。
80年前のホロコーストを世界は止められなかったが、いま世界中の人々がイスラエルの蛮行をリアルタイムで目撃している。イスラエルのユダヤ人が1日も早く正気を取り戻し、パレスチナ人と和解することを望むが、そのためには世界中の人々がパレスチナ人の現状を知ることが必要だ。
「もしわたしが死ななければならないのなら
あなたは生きなければならない
わたしの物語を伝えるために」イスラエル軍のガザ攻撃で殺されたパレスチナの詩人リフアト・アル・アライールの言葉です。この映画を見た私、あなたは何をするべきか考えさせられる映画です。
水1滴ではダメでもしずくが続けば変わる
報道など目にする「入植」というものがどんなことを意味するのか、この映画を観るまで知らなかった。
23年10月以降、本を読んだり自分なりに学んできたつもりだけど、何も分かっていなかった。
入植なんてきれいな言葉で表現できるものではなく、ただの破壊で、強奪で、暴力である。
それを、 イスラエル軍だけでなく入植者(ただの一般人)が彼らに守られながらやっている。昔からその場所に住んでいた、非暴力のごく普通の住民たちに対して…
この映画は、それにさらされている側の人達が撮影しているから見せられるものも容赦ない。だからこそ見て、沢山の人に知ってほしい。
そして、そうやって誰かの家を破壊し、故郷を奪ってできた場所に家を建てて住む人、利用する人は一体どんな人なのか、想像するだけで心底おぞましい。
バーセルとユヴァルは、同じ目的を持って活動する同士なんだと思う。
でも、それぞれの境遇が余りにも違いすぎて、観ながら何度も何度も頭を抱えるような思いだった。時間はかかるかもしれないが、バーセルがユヴァルの家を自由に訪ねられるようになったり、彼が自分の意志で就きたい仕事に就けるようになる日が来てほしいと心から思う。そのために、日本にいる自分に何か少しでもできることはあるのか…
最後に……
今もマサーフェル・ヤッタで暮らしているバーセルのTwitterのアカウントを紹介しておく。
@basel_adra
パレスチナで攻撃されているのは、ガザだけではない。
2023年10月以降、ガザのことはよくニュースになっているが、この映画はそれより前に、少し離れたヨルダン川西岸地区で撮られたもの。
イスラエル軍に占領され、抑圧され、攻撃され、困難な状況の中、撮影したことがまずすごい。
家を破壊しに来た、銃を持った兵士に向かって、カメラを向け続ける勇気に頭が下がる。
若きジャーナリストの監督が、自身が子どもの頃に父親が撮った映像も織り交ぜ編集した、長期間に渡る渾身のドキュメンタリー。
困難な状況の中でも、時折映るパレスチナ元来の景色の美しさに息を呑む。
こんな理不尽な占領(国による大規模な嫌がらせ、略奪、暴力)が、長きにわたり行われていたことを知らずに生きてきたことが恥ずかしい。
一方で、日本ではまともに報道されていなかったことなのだから、仕方ない。
今からでも、観て、知ることから始めてほしい。
知らない人にこそ観てほしい名作ドキュメンタリー。
とても良いドキュメンタリー作品です。
先週土曜日に浦和美園AEONシネマで『ノー・アザー・ランド』を見てきました。
とても良い出来のドキュメンタリー映画でした。
パレスチナ関係の映画『私は憎まない』と『子供たちはもう遊ばない』を見ましたが、私にはどちらも今ひとつ物足りませんでした。(『憎まない』は何かベクトル違いな感じ。『遊ばない』は現地のもっと多くの人の声を載せて欲しかった。)
しかし『ノー・アザー・ランド』には私は「最低限」満たされました。
パレスチナに対するイスラエル政府の理不尽で非道な攻撃、直接的にも間接的にも執拗な侵害がよく表されていたと思います。
ただ、これが「最低限」だと思います。
狂ったイスラエル政府や急進的シオニストを非難告発するにはもっともっと多くの映像と言葉が必要でしょう。
もちろんバゼル監督・ユーバール監督(他2人)らは、百も承知だったとは思います。
すべて語ろうとして煩瑣な作品になるよりは、先ずは最低限を伝えておこうとしたのでしょう。
それにイスラエル政府やシオニスト達の残虐な虐殺・略奪・破壊行為をありのままに映しては欧米での公開に支障が出ると懸念したのでしょう。
だからこの映画は、「最低限」に良く出来たドキュメンタリー映画だと思います。
ここから少しでもパレスチナ解放、イスラエル政府とアメリカとドイツへの非難、世界中の政府の無行動への民衆行動が進むことを望みます。
#nootherland
#ノー・アザー・ランド
#FreePalestine
全部が全部、難しい・・・
とりあえずある程度の知識がないと何がなんだか分からないこと必至。といっても、日々のニュースを知っていれば大丈夫だとは思うんですが、知っていればいるほどにハマるんじゃないかと思いました。
かく言う自分は、そんなに詳しく理解している方じゃないので、最初はただ混乱や横暴みたいなものを見せつけられているとしか思えなくて、正直眠かったのですが、頑張って身を入れているうちに徐々に核心部分が理解できてきて、この問題は上辺だけでしか理解できていなかったのだという、ある種の衝撃を受けました。
入植って・・・違法だっていうけど・・・問答無用の破壊、そして時に銃撃・・・それら出来事は別に隠されていることではなく、むしろ各方面で報道もされているのだと思うのですが、入植地・入植者というものを本当に理解できるような情報は、ほとんどないのだということがよくわかったような・・・気がするだけかもしれませんが、それでも、前よりは─。といっても、どんなによく知ってよく理解できたとしても、それをどうすべきなのか─今のところ全く分かりません。
国として、武力亡き者は、ただ失うしかない
ノーアザーランド 故郷は他にない(映画の記憶2025/2/24)
日本って平和だな。
若者の未来を奪うのはいつの時代もどこの場所でも老害利権者と略奪者なんだろう。
パレスチナ問題はさらに根深く、宗教や怨恨も絡んでるからややこしい。トランプは終わらせるとか言ってたがいつ終わらせられるだろうね?
イスラエル側の主張は第三者から見ると悪でしかないので、世界的にはパレスチナ側につくでしょう。
イスラエルの考えがパレスチナ人の土地を自分たちものにしたい。(この考えの根幹はイギリスが悪いんだが、わからない方は三枚舌外交とかで検索したらわかるだろう)パレスチナは祖先代々の土地を守りたい。
当然ぶつかるよね。イスラエルは過去老害的な利権的な考えを捨て、パレスチナはイスラエルの暴挙を許し、お互いが譲りたくないところを折り合いつけていくしかない。
バーゼルさんやユヴァルさんは小さい活動でも素晴らしいことをしている。こういう若者が利権にしがみついた政治家たちを倒し、民族の争いがない平和な未来を作ってほしい。
普通に武器をもってない相手に銃で撃つユダヤ人とかマジでホラー。これはもはやドキュメントホラーだな。
(個人的評価8点/10点中)
一人でも多くの方に観ていただきたい
この映画はヨルダン川西岸地区でイスラエルがパレスチナ人を追い出そうとする現実をパレスチナとイスラエルの青年が協力して撮影した貴重なドキュメンタリー映画です。
パレスチナ住民にとって大切な家を重機で壊し、学校を破壊し、井戸をセメントで埋めるシーンでは観ている私自身、意識がクラクラしました。そんなことをされたら、これからどのようにして生きていけばよいのかと思いました。
日本人の持つ感覚である「和を以て貴しとなす」という精神でイスラエル人とパレスチナ人が仲良く穏やかに暮らして欲しいと願わずにはいられませんでした。また、日本で平穏に生活できる環境に深く感謝しました。
一人でも多くの平和を愛する方に観ていただきたいと思います。
この映画を制作された監督及びスタッフのみなさまに深く感謝いたします。
拙いレヴューをお読みいただきありがとうございました。
パレスチナで起きているイスラエルの暴虐が明らかになっている映画
ジョン・レノン…?
パレスチナ ヨルダン川西岸地区のドキュメント。
95分ながらホントに徒労感を誘う… 何故ならイスラエル軍はただひたすらパレスチナ人たちの住宅を破壊する。彼らが再建しても、何度でも何度でも破壊する。ハマスがいないこの地では組織的な虐殺の正当性が主張できないから、ただただパレスチナ人が根負けして出て行くまで軍と入植者が結託してそれを繰り返す。
本作の救いは、ユダヤ人ジャーナリストのユヴァルの存在。ユダヤ人としての良心に基づき、パレスチナ人バーセルとともにイスラエルの蛮行を記録する。彼が、力まず和ませながらパレスチナ人たちに協力する様にどれほど救われるか…
それにしても本当に解せないのは、国家的な虐殺の対象となったユダヤ人たちが、彼等の国家が虐殺に手を染めることに何故こうも無自覚でいられるのか、ということ。
宗教や民族がこれほど無慈悲になれる原因ならば、そんなもの捨てろと言ったジョン・レノンは本当に正しかったと思うよ…
戦い続ける
ドキュメンタリー
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