ノー・アザー・ランド 故郷は他にないのレビュー・感想・評価
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カメラが映し出す理不尽で悲痛な記録の数々から平和な未来への希求へ ― 微かな一筋の希望を与えれてくるのもまた人だ
故郷=生まれた場所はひとつ、覚えている私たちの家、草、山、鶏小屋、学校…なぜ奪う?イスラエルとパレスチナ、立場を超えて共に闘う2人の若きジャーナリスト!パレスチナの現状を少しでも知るために一人でも多くの人が見るべき90分。
19世紀から地図に載っている故郷の村も、パレスチナ(アラブ人)の拡大を阻止したいイスラエルにとっては存在しない壊していい村。名目は"訓練場建設のために"、人権侵害・無視で誰かにとっての心のよりどころを踏みにじるイスラエルの侵略。軍と入植者。その様子を最前線で追い、世界に発信する活動家の家で生まれて沢山のものを見てきたからこそ「10日で世界は変えられない」と言う忍耐のバーセルと、記事を書き変えるべくやってきた熱いイスラエル人のユヴァル、そして何よりそこに暮らす市井の人々からあらゆるものが奪われていく村の記録。家が毎週壊されては、村人たちは残るか去るかの選択を迫られ、洞窟で暮らすことを余儀なくされる。
結果、タイムリーにな(ってしま)った本作。世界の人々にどうすれば届けることができるか、そのために自分たちには何ができるだろうか?トニー・ブレアが訪れた場所は壊されないというパワーゲーム。そういう影響力のある者はそれを良い方向に積極的に生かすべきだ。本作が言わずもがなパレスチナ側からの視点で描かれていることもあるが、このイスラエル軍側の非情な暴力行為が国際的に黙認されていいわけが決してない。そもそも、元をたどればイギリスのせいなのに、なぜそこの間でずっとずっと長きにわたってやり合わねばならないのか。本当に苦しくやるせないけど、それでもきっと人間にはそんな現実を変えられる力があるの信じたい。
勝手に関連作品『ラッカは静かに虐殺されている』
いわゆるパレスチナ問題についての問題提起のドキュメンタリー映画
今年60本目(合計1,602本目/今月(2025年2月度)23本目)。
現地としてのニュースでは日本ではNHKで見ることができない程度のこのニュースについて、前線に立ってこ戦っている人や抗議している方が全面に映っていたのは良いところです。
一つ気になった点として、映画としてややわかりにくいかな…という部分(最低限、現在のパレスチナ問題を知らないと詰んでしまう)ところ、また、この地域での紛争で追われてしまった人達という観点では広い意味でクルド人も含まれるため、やや対象を絞っているのかな…といったところです(意図はなかったと思いますが、日本ではこの地域の紛争として来られる方の大半はクルド人の方であるため)。
セリフもあることはありますが、全般的にはドキュメンタリー映画の分類であり、「映画か」というと微妙なところはありましょうが、知的な内容で(NHKのドキュメンタリーでやってそう)、娯楽性を求めないという前提においては押せる作品だろうと思います。
採点上特に気になった点までないのでフルスコアです。
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