「タイトルなし」ノー・アザー・ランド 故郷は他にない えみりさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
いくつかパレスチナの映画を観たけれど、映画を撮るというコンテクストが入れ込まれている映画という意味で緊張感のあるドキュメンタリーはこれが最高峰だと思う。いわゆる戦争現場ではないけれど、日常的にそこに戦争が展開されているということを生々しく見せる。
ブルドーザーと〇〇という言葉は沖縄でよく聞かれたのだけど、ブルドーザーの力というのはこれなのかとまざまざと見せられる。
活動家のお父さんほど勇気がないとするパレスチナの監督、お父さんが逮捕されたら石油を売らないと、といった監督の立場まで撮っている。
そして、この映画終了後についてのラストの展開も息を呑む。
日常が淡々と撮られているのだけど、その日常は戦争なのだという息苦しさ。来る日も来る日も変わらない。
そして入植者のある種の影。
ジャーナリストたちのかかわり。
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