くまをまつのレビュー・感想・評価
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ありがとう
結局脚本は最後まで完成しなかったのがよかった。「くまをまつ」という映画は完成してるのに、その映画の主人公はなにも完成させられていないっていうのが皮肉で、でもたぶんそれでいいんだと思う。
私も創作がたまらなく好きなんだけど、終盤のやや子の「別に誰かに頼まれたわけじゃないし」「でもどうしても描きたかった」っていうセリフが、見終わった今でもずっとお守りになってます。
素晴らしいものに出会って劣等感と焦燥感に打ちのめされそうになったとき、この言葉を思い出すと、自分が描くことを許せるのでいいです。
創作が好きな人は刺さると思います、私はとても好きでした。創ることを許してくれてありがとうございます、この映画をこの夏に見れてよかった、感謝!
奪う側と差し出す側
謎めいたタイトルに惹かれて鑑賞したが、残念ながら自分にはハマらなかった。
基本的に、登場人物の情緒や行動が理解できない。
導入ではややこを苦手に感じてそうな雰囲気だったのに、下の名前を呼び捨てるタカシ。
姉の子を預かっておいて、洗濯物干しを任せるだけでなく完全に放置してしまうややこ。
報酬はなく、過去のしがらみもあるのに片道2時間かけて朗読に来るとも。
「踏み込むな」の次の登場で「いつでも戻ってこい」と言う幸雄。
というかなんで爺ちゃんの家の隣人とそんな親しいの?
ややこの実家からは「電車を何本も乗り継いで」来るような距離のハズでは。
話としても中盤がかなり退屈。
現実の過去と脚本の中と夢と幻想と…それらの区別が曖昧で、それがそこまで効果的にも感じない。
罪悪感はありそうだったが、許可なく他人をモデルに脚本を書くややこは不快。
(しかも恋人には絶対バレるだろうに)
タカシがミラーを壊した件も衝突のキッカケにすぎず、わざわざタカシを落とさなくても出来たでしょ。
しかもすぐに何事もなく会話するし。
尚美が出たあたりからは少し面白くなったし、かなり綺麗なカットもいくつもあった。
祖父の記憶とかともの本名とか、面白くなりそうな要素はあるけど、上手く纏まってない印象。
女の子の存在意義もよく分からなかった。
料理の感想を訊かれて「大丈夫」と答えるタカシには笑った。
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