「賛否わかれるけど私はアリだと思った」白雪姫 callさんの映画レビュー(感想・評価)
賛否わかれるけど私はアリだと思った
ディズニーの白雪姫の実写を見に行きたい人にはおすすめしない。
ディズニーが白雪姫をベースに作った新しい映画と受け入れられる人にはおすすめできる。
果敢に戦場に出ていくスノーホワイトとか、「本当は怖い」に出てくるような原作の焼けた靴で躍らせる白雪姫とか、サウンドホライズンの硝子の棺で眠る姫君とかの白雪姫関連もろもろを受け入れられるかどうかです。
【良い所】
・小人の家にはいった瞬間のあの幻想的な風景はディズニー屈指の描写だと思う。
・「ハイ・ホー!!」これ、ものすごく良くない!? ここだけ何回も見たい。
・小人が鉱山で働いているシーンもとても良い。小人が気持ち悪いのはむしろドワーフなんだからそうでないと!人間の里に近づけず人間から隠れ住んでいるんだから、だれから見ても愛らしい姿ではない。それでよい。
・白雪姫の王子はどうしても「森の中で死んでる女にキスする猟奇的趣味の変態」になってしまうので、ジョナサンの方がまだ恋愛対象としては納得感が強い。
・クイーンの演技はとても良い。何がしたかわからない?いや、あの女王は美を武器にして富と権力が欲しかったのです。それだけの強欲な魔女なのです。たぶん背景としてはひねくれた魔女が美貌を得る魔法を得て、これなら国王を誑かして国を乗っ取れるぜヒャッハー!状態で調子ノリノリ。その先の遠大な野望とか壮大な世界支配とかは何も考えていないから「何をしたいのかわからん」という感想になるかもしれないのですが、贅沢三昧がしたかったんですよ。きっとw
・民の前に現れた赤いフードの白雪姫はかっこよかった。凛々しい。ディズニープリンセスらしくはないけどカッコいい白雪姫がいた。さらに解決策も兵士のこころを掴みにいく方向で、これはディズニープリンセスらしくて素晴らしい展開。
・ナレーションの正体は「そうきたか」という感じ。良い引っ張り。
【悪い点】
・無駄な原作改変は本当にいりません。脚本のために白雪姫のキャラを変えるのはそれはそれでありなのですが「こういう理由で変えたのか!」が分かればいいのに、今回は「ああ、大人の事情なんですよね」という点で見てしまいます。映画単体で見るとどうしてもきつい。ボウガンの名手も別に新たにキャラクターを作る意味はなかった。狩人さんでいいじゃないか、あの人も狩猟が本業なんだし弓矢の名手ってことで充分。
・召使いにされた白雪姫は健気にお掃除をしている、、、わけではなく、すごく投げやりでやけっぱちな掃除風景。いや、この白雪姫ならそうするのはわかるんですが、この白雪姫って内面も美しい子って設定になってませんでした?
・山賊、いる?
・「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰?」あきらかに女王。なんなら城下町にいたモブの女の子が一番かわいい。
・オトボケへのイジメがちょっと不快感を感じるレベル。
【総合的に】
酷評されるほど酷くはないのです。
また"ディズニーの"白雪姫のストーリーって原作に忠実に作ったら90分映画にするのは難しいようなストーリーしかないです。かと言ってグリム童話まで戻ってそれを作ってしまうとそれはディズニーの白雪姫ではない。
なので、ディズニーとしては今の時代に白雪姫をリメイクしようとして、大人の事情が入り込んだ結果、ディズニー原作の白雪姫を愛して期待していた人には残念な結果になったのでしょう。
原作通りに作るとつまらない、原作改変をすると期待外れ、なかなか難しいところです。
ただ、X(旧Twitter)のデマを元にしたたたき方はちょっと異常でした。
豪雪の中で生き残ったから白雪姫、を真に受けたのですが単に雪の日に生まれたから白雪姫だったんですね。
「町の中や登場人物に黒人多すぎね?中世欧州、そんなに人種入り混じってる?」と思ったけど、あの国は架空の国だからまあいいのか。
個人的には、今後のディズニーパレードにおいて白雪姫の相手はプリス王子なのか、山賊ジョナサンなのか、気になっています。
ぜひ二人で白雪姫を取り合うような構図にしていただきたいw