「ルックは素晴らしい。が、惜しい。」海辺へ行く道 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
ルックは素晴らしい。が、惜しい。
監督はやりきったんじゃなかろうか。芸術の町を舞台に芸術と戯れる日常を芸術で打ち返すという作品。原作は知らないけど、日本を舞台にした絵本というかコミックというかファンタジーというかメルヘンというか、瀬戸内(たぶん)の地形と風景、そして衣装、美術、子供たちをスタンダード画面に、しかもかなりのグレードで残した。本当に絵として見どころいっぱいという感じ。時折沖田修一監督の傑作過ぎる傑作『さかなのこ』もチラつくが、あれに比べ…… というか一緒にしてはいけない。これは、アート、だから。
とはいえ、140分をこの散文タイプの映画でやるのは独創的過ぎたのかも。これが90分程度のものならもっと評価はされるのかもしれない。退屈するとかは実はあまりないのだけど、その分あがりはゆるくはなっている。3話構成になっているので1話ずつ見てるのならともかくまとめて見ているので120分を過ぎたあたりでつらくなる。ずーっとフラットなので。しかもかなり独創的ではあるのでボーッとみてるわけにはいかない。ましてやリアリティのない話でお話の縦線があまりないのでもう少し短くしたほうがよかったはず。クオリティは高いのでその辺が残念かな、と。
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