「分かりそうで分からない横浜聡子」海辺へ行く道 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
分かりそうで分からない横浜聡子
なんの話かは分からないね。
色んな人が色んなことして、少し哀しさもあって。
色々と話はつながってるんだけど、高良健吾の包丁売りとあの後輩くんの超能力は他の話から浮いてるね。
後輩くんのおじいちゃんの嫌らしさいい。息子の嫁にたいする情欲を隠しきれなくなってるんだけど、少し認知症入った設定なのかな。
先輩がおばあちゃんと話すエピソードも良かった。
「家からお金がなくなってる」って追求されるけど、あれ、奥さんか旦那さんのどっちかだよね。それ隠すためもあって、先輩を退学に追い込んじゃう。
それで先輩も周りも気にしないんだよね。
この辺から「芸術ってなに?」っていうテーマで展開されるね。
演劇部の背景を描いたら演出家は「作り直して」と言い、戯曲家は「これで良い」っていうぶつかり合いも良かった。最後は戯曲家判断でいこうになるけど、ここも爽やかに芸術家がぶつかるね。
先輩がいう「全ての芸術家は自称であるべきである」はそうだなって思った。そうなんだよ。創りたいから創ってるのが基本だよね。
色々な事情を主人公の天才性が蹴散らしてくのもいいね。
アーティスト・イン・レジデンスをやる街には楽しそうな人たちが集まりそうで良さそうだったな。「自称芸術家でいくんだぜ」って踏ん切りがついたら行きたい。
総じて、なんか分かったような気もするんだけど、分からない。
でもそういうときは、案外分かってるんだって、デヴィット・リンチが言ってたからいいや。
出演者にはそうそうたる名前が並ぶよね。
横浜聡子が撮るって言ったら、これだけの人が集まるのすごいな。
それで誰がどの役やったのかサッパリ分からない。唐田えりかは全く気付かなかった。
駒井蓮もクレジットにあったけど、どこに出てた?
観終わった感じは爽快だし、横浜聡子作品は、また観ようと思ったよ。