秒速5センチメートルのレビュー・感想・評価
全227件中、221~227件目を表示
明里からのアンサーがとてもいい。でも明里はなぜ?
新海作品の秒速はとても美しくて特にコスモナウトの種子島の空や光景がとても好きだったのだけど、男のセンチメンタリズムが強すぎて、そこがちょっとしんどい作品でもあった。しかし、この映画秒速はいい意味で明里からのアンサー作品になっていて、そこはとても効果的だったと思う。
個人的な最大の謎は、なぜ明里は一目会おうとしなかったのか、再会を選ばなかったか、なのだけど、結論としては明里にはまだ貴樹への気持ちがあるからとしか思えない。明里は貴樹と連絡をとろうと思えば取ることは可能な状況でも貴樹が望んだような「元気だった?久しぶり」程度の再会をあえて選ぼうとしない。これは、自分の気持ちが動揺するのが怖いからだと思う。新婚なのか配偶者と一緒に転勤についていく設定の明里は、今このタイミングで貴樹との再会を恐れたのだろう。明里は、貴樹がプラネタリウムのプログラミングに関わるような社会人として成功している一面を知っているわけだから、「自分と会うことで貴樹を振り回したくない」と思い上がっているとは考えにくい。むしろ自分のほうに未だ未練があるからこそ、ただ懐かしいからといって「元気だった?久しぶり」とできなかったんじゃないか。
で、もう一つの謎、なぜあれほど強くて綺麗な絆があった二人は疎遠になったか、なのだけど、これは致命的に二人に言葉と約束が欠けたからだと思う。貴樹が書いた手紙は渡せぬままで、貴樹は明確に「好き」という一言を伝えてない。そのまま遠距離に突入したことによって、特別な相手としての貴樹はそのまま心に置いたまま、思い出というよりもむしろ自分自身の掛け替えのない一時期として生かしたまま、求められるがままに他の男とつきあうことを拒絶させなかったのだろう。貴樹と明里が何故、好きだと伝え合うことを避けたかと言えば、そもそも「好きだ」という言葉は相手を振り向かせるために必要な言葉で、それは森七菜扮する花苗には告白して振り向かせなければならないため必要な言葉だったが、貴樹と明里は違う、相手を振り向かせることは必要なかった。ただお互いが一緒にいる時間があればよかった。だからあえて、「好きだ」と伝え合うことは彼らにはマストでなかったのだと思う。結果論的に言えば、「好きだ」という言葉は相手のために言うべき言葉だったと思う。思い上がりだろうと、相手が欲している言葉を吐くことが愛情だったはず。それは勿論お互いにとって。貴樹も明里も、掛け替えのない相手と結ばれないという罰?を受けることになるから。でもまあ若いから仕方ないか。
日本の四季がとても美しい。そしてキャストも可愛らしくて、森七菜さんはちょっといじらしくて素敵だったな、あのいじらしさに心動かされない貴樹というキャラクターは、明里と離れてからずっとここではないどこかを生きているような、なかなかに重い生を歩んだようにみえた。貴樹にとっての明里はむしろ呪いだったようで、明里は「わたしを呪いにしないで」と叫んでいるような作品だったと思う。個人的には、自分を好いてくれる花苗を好きになって高校生活を満喫する貴樹よりも、執着でどこか世捨て人のような貴樹は好きですね。もっとガッツがあれば、明里ちゃんにガツガツ告って、毎年お年玉ためて栃木に通うくらいしたってよかったわけですよ、でも貴樹はそれをしない。その不器用さと鈍重さもまた、人間らしさかな。
秒速のキーとなるエピソードをいかしつつ、明里からのアンサーも示しつつ、新海作品にあった美しさも存分に堪能できる、相当に好きな作品。そして、あそこでかかる山崎まさよしさんのワンモアタイム,ワンモアチャンスはわたしには反則でした。
正直退屈
原作の映画は過去に何度か配信、映画館ともに鑑賞済み
新海作品では近3作以外ではこれが1番好き。なので初日初回に鑑賞
新海監督が絶賛されていたので期待して鑑賞したが、正直私は退屈だった
まず本編の時系列が謎、うろ覚えだけど大人→ちょい小学生→高校生→中学生→大人
とざっくりこんな感じで、予想外でちょっと楽しめたがどういう意図でこんな順番にしたのかよくわからない
あとはアニメでも使われてる山崎まさよしさんのあの曲、使われるシーンが謎すぎる
終わりの交差点のシーンは、あの曲が流れてるのもあって良いラストだと思ってるから、ちょっと許せない
物語の舞台が1980から2009年頃だから、ガラケーやらカラオケの本?とやらも見られたのが新鮮で面白かった。子役の方特に明里ちゃんの子良いね
しかしやっぱり原作のファンだから、ちょいちょい許せない部分があった。リピはないかなあ
正直この作品は一つ一つのシーンが無駄に長いところがあって退屈、アニメ版は上映時間が約60分ほどの短さだからこそ良いと思う。
周りが絶賛してる中申し訳ないけど、結論私は微妙と感じた
新海作品は映画館で何回も見てるから、今回は本当に残念すぎる
月は灯り、君は僕を照す光り。
1991年の春頃、とある小学校に1年早く転校し生活する遠野貴樹と、1年遅く転校してきた篠原明里の出会いと現在の話。
1年違いの転校生同士もあり何か波長が合う貴樹と明里、「また1年後この桜を一緒に見よう」と約束したものの、親の仕事の都合で明里が引っ越すことになり…、2008年を現在とし小学校での出会いから今現在とそれぞれの生活を行き来し見せてく。
原作アニメは未鑑賞、ザックリ書くならコミュニケーションが少し苦手な貴樹と明るく前向きな明里って印象ですかね、作品を観た限りでは。良く言うなら小学校時代に出会った明里を約16年と想うピュアボーイ、悪く言うならいつまでも過去に出会った彼女を忘れられずにいる…、一方明里は前向きで過去の思い出も大事にしつつ振り返らず前へ進むって捉え方でいいでしょうか!?
私の性格上、貴樹君の感情、性格、不器用さにあまり共感出来ず、もっと素直になって自分を相手に見せたらと思うんだけれど人それぞれ性格があるし、これは作品ですからね。
ただ過去回想の小学生~中学生の描写はずるい!あんな雰囲気と2人の世界観を見せられたら泣く。子供時代~大人までの貴樹のキャスティングも似てて違和感なく良かった、ただ個人的に思ったのは小学生の明里ちゃんが良すぎただけに大人の明里演じた高畑充希さんは嫌いじゃないけれど何か違うなと…ずっと私の中にいたキャスティングは上白石萌歌さんだったかな顔の系統だけで言うなら。
こういう展開でこういうオチになるんだろうなと勝手に予想してたものの全くならず…飲み会、プラネタリウム会場、あの桜の場所で再会で泣く準備は出来たものの…ラストの“踏み切りでのすれ違い”…で2人の性格が出てる様にも見えた。
追記
原作が気になり鑑賞、アニメ版63分実写版121分と1時間以上の差、アニメ版の方がテンポいいし細かい人物像が描かれてないからキレイって印象、見せ方も原作の方が解りやすかったかも。明里の手紙を読むナレーションで入る冒頭から惹き込まれた。
古めかしい。過去に生きるより未来に向かって、生きろよタカキ‼️
家に戻ってすぐに原作アニメの「秒速5センチメートル」を
観直しました。
「桜花抄」はほぼ原作に忠実です。
タカキが雪で遅れに遅れてたどり着いた「岩舟駅構内」
アカリはお握りとおかずと温かいほうじ茶を用意して23時過ぎまで
待っていてくれました。
会えて安堵で、したたるアカリの涙。
(この涙は少なめでした)
駅を追い出されて、大きな桜の木まで行き、キスを交わした。
そして農家の納屋で一晩を過ごします。
(一晩をどこで過ごしたかは描かれませんでした)
そして始発の電車でタカキは帰ります。
「アカリを守るチカラを付けよう、と心に誓って」
タカキにとってアカリに会いに行った13歳の3月の大雪の日。
それはタカキの《人生のピーク》のような《メモリアルな出来事》
彼は最上のもの、愛の陶酔と完結を、若くして見てしまったのです。
それからは余生のような人生を斜に構えて淡々と生きている。
「俺の俺の人生にあれ以上の幸福な時間は2度とこないのだ」
虚無に支配されたような29歳のタカキ。
私はせっかく29歳のタカキ(松下北斗)と、登場しない筈の
アカリ(高畑充希)の日常を描いたのなら、
2人を会わせたかった。
タカキに現実のアカリを見て、29歳になったアカリと正面から
向き合ってほしかった。
2人は何度もすれ違い
2人は何度もニアミスをする。
もうドキドキしました。
線路の遮断機が降りて、電車が通り過ぎて、遮断機が上がったとき
アカリがそこで待っていることを、願いました。
思い出の中の【理想の女性像】
その生身の姿と、タカキは向き合うべきです。
そうしないと、いつまでも思い出を引きずる負け犬みたいな人生ですもの。
脇を固める吉岡秀隆の存在感。
名優は本当に輝くのですね。
宮崎あおいのさりげなさも良かった。
松下北斗と高畑充希は、演じ足りなかったでしょうね。
名作とお墨付きの原作アニメを実写化するに当たり、
改変と冒険を躊躇った優しい奥山由之監督。
原作と同じことをしていても面白くない。
勇気と新展開・・それが欲しかったです。
ONE MORE TIMEはNGなのか
新海誠作品はごく初期のものからほとんど観ていて、『秒速5センチメートル』の原作アニメも好きであるが、この実写版ではエンディングを含めストーリーや登場キャラクターを改変・追加してきている。
しかし、それが不自然ではないほどかなり良くできていると感じた。
むしろ、乱暴に言ってしまえば、初期の荒削りな感じを残していた新海誠オリジナルのアニメーションよりも脚本が洗練されていると感じた。
加えて、キャスティング、役者の演技、演出がかなり良いことで、実写がアニメと別物の映像作品と捉えれば、こちらの方が良いかもしれない(…なんて言ったら新海誠に失礼かも、だし、そもそも原作と二次創作を比較して良し悪しをあげつらうのは好きではない)。
新海誠自身、どちらかと言えば一から十まで独りでこなす「アニメ職人」が性根にある。特に初期の作品はそのスタイルが前面に出た「新海ワールド」のテイストが強いと思えるが、今回の実写作品は、より若い世代の複数のクリエイターたちの重層的な視点と才能を経て、素材としての原作の物語をこうした形で昇華した、という良い見本かもしれない。
コミック→アニメ、アニメ→実写、小説→実写、アニメ→コミカライズ、アニメ→ノベライズ、実写→実写(改)…などなど、二次創作にはいくつものパターンがあるけれど、どのパターンが良い悪いと決めつける愚は犯すべきではない。
またもちろん、「忠実な再現」が唯一の正義ではなかろう。要はクリエイティビティが遺憾なく発揮されれば良いだけの話だ。
---------------------------------------------
松村北斗はアイドルグループ出身ながら、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』や映画『夜明けのすべて』『First Kiss』などで確かな存在感を見せてきた。
濃いキャラの多い若手俳優たちの中でちょっとおとなしいというか、一種の透明感というか、無個性という個性が監督から珍重されるのかもしれない。
しかし台詞語りは巧みであり、自然な会話の間(ま)やキャッチボールを演じられる器用な人だ。
つまり、こういう静謐な作品で流れを乱さずにしっかりと存在していることができる。
一方、この作品でどうしても観たかったのは白山乃愛だ。
直近の第9回東宝シンデレラオーディション(2022)で最年少グランプリを受賞した逸材である。
当方『Dr. チョコレート』も『ゆりあ先生の赤い糸』も『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』も観ていないのでスクリーンで初めて演技を観るのを楽しみにしていた。
やはり長澤まさみ、上白石萌音・萌歌、浜辺美波など錚々たる女優を輩出しているオーディションのグランプリ受賞者だけあって堂々たるものですな。
ちょっと脱線するが、映画会社の視点で見れば、こんなに小さい頃から気長に育成するのは相当な覚悟がいるはずだ。だから東宝シンデレラというのは「普通の子役」を選ぶオーディションではない気がする。開催年も不定期に5~6年は空けているし、芸能プロダクションやTV局が消費するようなタレントを毎年のように量産する指向とは一線を画している。
実力のある(素質のある)良い女優が、時間を掛けてしっかりと花咲く。これは日本映画製作システムの失ってはならない美風だろう。
また、森七菜がどんどんブレークしている。
今年だけでもすでに『フロントライン』『国宝』で大きな存在感を示しているが、この『秒速5センチメートル』では化粧っ気がなく(メイクも最低限?)髪もボサボサの種子島のサーファー高校生がなんとも素晴らしくハマっていた。
思いの届かない男の子の後ろをとぼとぼ歩きながら、立ち止まって泣き始めるシーンは見事だった。
ただ、ひょっとしたら、長じた篠原明里役の高畑充希と、逆の配役でも良かったかもしれない。
遠野の元同僚・元恋人の水野を演った木竜麻生も良いし、中年の色気が出始めた宮﨑あおいも良い。
そう考えると、すごいラインナップですな。
---------------------------------------------
『秒速5センチメートル』は新海誠の心象風景、しかもかなり内向きで後ろ向きの男の表象だ。
すれ違い、噛み合わない男女のラブストーリーでもあるけれど、基本的には遠野貴樹(演:松村北斗)のいつまでも吹っ切れない過去のナラティブであって、最後に科学館長(演:吉岡秀隆)をカウンセラーめいた相手として泣きながら思いを吐露する。
それは約束の日に約束の地を訪れたが、約束の人(明里)には会えなかった、会いたかった、という告白であったが、館長は
「そこに座っていた人(明里)が言っていました。『私は行きません。相手の人(貴樹)が過去を引きずる人ではないと信じているから』と」(概要)
と伝える。
このエピソードに、もし男女の心理の性差があると仮定するなら、男性は過去に拘るが女性は吹っ切れて前に進める、とも取れる。それは案外、特に男性の側からすると共鳴する点があるのかもしれない。
まったく話が逸れるようで恐縮だが、いつぞやのTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』でのリスナー投稿で、エピソード内容は異なるけれど同様に20年以上前の過去のすれ違いと後悔と憧憬を胸に、かつての恋人に会いたいという淡い気持ちを持つ男性の投稿が紹介されていた。
このとき、安住アナと組んでいる中澤有美子アナが
「・・・そーですねー・・・控えめに言って、こういうの大嫌いです」
と一刀両断したのには爆笑してしまった。
もちろん中澤アナの個性なのかもしれないが、ひょっとしたら女性の感性として、こういう男性側の一方的でロマンチックな(キモい?)思い込みはNGなのかもしれない。
だから、中澤アナは新海作品がキライかもしれないし、『秒速5センチメートル』は大嫌いかもしれないww
なんとも変なオチで恐縮です・・・・
感動しました
.
あまり期待しないで観ましたが、とっても良かったです。感動しました。私はもう 60歳を越えましたが、小学5~6年生の頃に大好きだった女の子のことを想い出しました。
山崎まさよしさんの私が大好きな歌がハマりまくります、この映画。また「岩舟駅」さっそく行ってみます。でも雪が降る頃が良いですかね、本当は。
この映画をお薦めします。私は岩舟駅に行き、アニメを観て、それからもう一度この映画を観ます。
全227件中、221~227件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。





