「文学性は損なわれた」秒速5センチメートル noooousさんの映画レビュー(感想・評価)
文学性は損なわれた
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カットシーンの追加というより物語の趣旨が変わった。原作では貴樹は過去に囚われ心身をすり減らし明里の影を追って東京を彷徨うという不確実で救いのない終わりだった。今作では明確な挫折と成長が追加され、それが貴樹が遠くを見続けていたことに対する一つのアンサーというか解釈になっている
宇宙の果てを誰とも巡り合うことなくさまよい続ける宇宙探査機をゴールデンレコードの僅かな言葉を載せたヴォイジャーに置き換えたのはなるほどなあと思った。ならば、1991はすれ違った明里?水野さんに一声かけられたからOK?それって、本当に貴樹くんが大丈夫なことになるんだろうか.......?
これはメタファーを最大限尊重した解釈したわけだけれど、これを跳ね除けることは文学的妥協になってしまう。そうじゃなくて、彼が本当に救われるのは遠くを望むのを辞めたときなんじゃないか
「貴樹くんなら大丈夫」ならば、大丈夫だと確信できる終わりがよかったなあというのが正直な感想
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