「女性はこれを未練がましいと言うけれど」秒速5センチメートル トトキさんの映画レビュー(感想・評価)
女性はこれを未練がましいと言うけれど
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純朴な男には辛い映画。
米津さんの歌がこの映画を、主人公の心情を絶叫している。歌の不協和音も流石です。
ぶっちゃけ、ラストの踏切シーンと米津さんの歌を聴いたら、この映画の言いたいことは分かるんじゃないか。
高校パートは入れる必要性を感じなかったが、後から考えるとあの種子島の時間は、都市に住む男達にとって南国の島の理想的な青春の舞台を描いていた。明里が別れの際に言った言葉を考えるに、今はお互いの気持ちは最高潮だが、住む距離が遠く離れて、今後心も離れていくのを示している。明里はきっと高校で新しい青春を過ごした。貴樹は一部の男にとって理想の、南国の海辺でサーフィンが趣味な活発で健康的な女の子、との青春に足を踏み出さなかった。
男は心が通じ合って好き同士ならずっと思い続ける(相手もずっと自分を思い続けてくれると期待してしまう)。
女は時間と共に思い出になって割り切って新しい人生を歩み出す。この現実的な恋愛観の差をずっしり感じる。女の子の言う「幸せに生きててほしい。彼ならきっと大丈夫。」は相手ために言っている風で実は自分を守るズルい言葉ですよね。
特に多感な中学生時代に、2人が駅で出会い、桜の木の前でファーストキスしてしまったら、男側は忘れられませんよ。バンプオブチキンの天体観測のことを思い出す。女性はこれを女々しいとか、未練がましいと言うけれど。
それだけに、30歳の3月26日の雪の桜のシーンとその後の明里のシーンはショックで1分間くらい呆然としてしまった。ワンモアタイムで盛り上げてからの落とし方は、しばらく胸が重くなった。
貴樹に幸あれ。
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