「何度も観たい」秒速5センチメートル Inacoさんの映画レビュー(感想・評価)
何度も観たい
新海誠監督の有名な作品でしたが、機会を逸したままで、いつか観たいと思っていた作品。
そこで実写化の話があったので、敢えてアニメは観ずに実写版を先に観ました。
だいたいのあらすじをうっすら知っている程度の状態で観ましたが、序盤から自分でも何の涙かわからない涙が溢れてきました。
もうアラフィフのいい歳のおばちゃんですが、若かりし頃の鬱屈とした精神状態とか、淡い恋心とか、報われないもやもやした気持ちが浄化されるような、昇華されたような不思議な気持ちになりました。
小学生の明里ちゃんがとても愛くるしくて、転勤族の家庭に生まれて周囲に心を開けずにいた貴樹にとって明里ちゃんの存在はあまりに大きすぎて、それを埋められないまま大人になったんでしょうね。
いつもどこか上の空な感じから、プラネタリウムで館長に思いを吐露するところまで、松村北斗さんのあまりにも自然な演技に…というか、プラネタリウムのシーンはもはや実在している人なのでは?と思える程に貴樹でしたね。
素晴らしかったです。
他の演者さんもみなさん素敵で、森七菜さんは本当に恋する高校生そのものでしたし、個人的には宮崎あおいさんのセリフが刺さりまくって痛いほどでした。
自然なのに気持ちがしっかり乗っているからすごく響くんでしょうね。
高畑充希さんも素敵だったな。
離れていても貴樹との大切な想い出を胸に、前に進むことができた明里。健やかでとても素敵な女性となっている今の明里=高畑充希さんはすごく説得力がありました。
吉岡秀隆さんはその佇まいから滲み出る温かさが貴樹を優しく包み込んでいて、もう最高でした。
この館長の元で働けるなら、この先の貴樹は大丈夫だと無条件で思わせてくれる。
優しい口調と眼差しと。
つくづくキャスティングも素晴らしいと思いました。
岡部たかしさん、出番は多くなかったけど、いいなぁ。効いてるなぁ。
それからなんと言っても全てのシーンを心に刻みつけたいほどに、あまりにも美しい映像の数々。
円盤が出たらミュートにしているだけでも価値がありそうです。
脱線しましたが、見る度に同じところで泣くのか、もっと何度も劇場に通いたいと思える作品でした。
ありがとうございました。
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