劇場公開日 2025年10月10日

「もう一度、あの切なさに会いに行く」秒速5センチメートル みやびんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 もう一度、あの切なさに会いに行く

2025年10月19日
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悲しい

アニメ版を観ていたので展開は知っていましたが、実写版ではまた違った切なさと深みを感じました。
山崎まさよしの「One more time, One more chance」が流れる瞬間はやはり胸に響き、キャストの自然な演技にも心を動かされます。

アニメ版『秒速5センチメートル』(2007)は、誰しもの心の奥にある“いつか見た景色”や“心象風景”を積み重ねたような作品でした。新海誠監督の描く「時間」と「距離」は、観る人の人生や記憶と静かに結びつき、なぜか懐かしく、自然と涙が溢れる不思議な力を持っています。

実写版では、原作で語られなかった明里の想いを、オリジナルキャラとの関わりを通して丁寧に補完。
社会人パートもより説得力を増し、“伝言ゲーム”的に想いが繋がっていく構成が印象的でした。
一方で輿水先生の転職設定や貴樹の喫煙描写など、やや気になる部分もありますが、物語全体としては「好き」と「すれ違い」「後悔と向き合う」というテーマを穏やかにまとめ上げています。

ハッピーエンドではないけれど、人生の儚さや優しさを静かに伝えてくれる——そんな美しくもほろ苦い作品でした。

みやびん
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