劇場公開日 2025年10月10日

「一兎追うもの一兎もえず」秒速5センチメートル セッキーかもめさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 一兎追うもの一兎もえず

2025年10月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

カワイイ

主人公遠野と篠原は互いに転校生として入った小学校で出会う。物静かで気の合う2人はいつも一緒だった。小学校卒業後、篠原の転校により、2人は離ればなれになってしまう。30歳となったとき、遠野はSE、篠原は書店員として働いていた。過去のある約束に従い、2人は再会することができるのか…。

まず、タイトルの秒速5センチメートルについて。作中では、桜の花びらが落下する速度との説明があるが、これは明らかな誤りである。これが正しい場合、1メートルの落下に20秒かかってしまう。直感的に誤りであると分かる。では、なぜこのようなタイトルにしたのか。これを理解することが本作全体を理解する上で重要な気がする。私の解釈は、遠野と篠原の間に流れるスピードと現実との齟齬を表した、というものである。

本作は、ストーリーの展開を魅せるタイプではなく、それぞれの人物の心情を汲み取って楽しむタイプの映画である。ストーリーのみでいうと、主人公が30歳になるまでの無難な人生を描いたものとなっている。

主人公を中心に形づくられる人間関係において、それぞれの人物は好意となる人を追いかけるが、ほとんどの場合上手くいかない。俯瞰してみると、最悪の結果となってしまう場合がほとんどである。しかし、それぞれの人物の主観から見ると、相手を想う気持ちによる行動のみなのである。それを考察するのが本作の醍醐味のような気がする。

本作の持つメッセージは何なのだろうか。相手に正直に自分の想いを伝えることなのか、過去の約束を守ることなのか、過去を引きずらず今大切な人を大事にすることなのか。本作では、様々な失恋パターンを見ることができる。恋愛経験豊富な人はいずれかの人物と過去の自分を重ね合わせ感動することができるのかもしれない。それとは反対の位置にいる私には本作の持つメッセージは難解すぎた。

セッキーかもめ
みかずきさんのコメント
2025年10月26日

はじめまして、みかずきです

私は主人公と似た体験をしたことがあるので強く感情移入できた作品でした。本作は過去を断ち切らないと前には進めないことを示唆していると感じました。

本作を観て、青春時代の苦い恋愛経験を思い出しました。
彼女への片想いを引きずったら前に行けないと思い、
別れを切り出したら彼女が泣いてしまって・・・。
えっ、両想いだったのかと気付いた時には手遅れで。
結構凹みましたが、前に進むことはできました。

では、また共感作で

みかずき
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