「映像詩的でありながら、ドラマ部分もとてもよく出来ていて、ほのかな感動があり、今年1、2を争う傑作だと思う。」秒速5センチメートル mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)
映像詩的でありながら、ドラマ部分もとてもよく出来ていて、ほのかな感動があり、今年1、2を争う傑作だと思う。
新海誠監督のアニメの実写版。これがよく出来ている。
松竹のプロデューサー奥山和由の息子の奥山由之が監督。
アニメは見ていたが、10年以上前でほぼ内容は忘れていた。
だからよかったかもしれない。
とても自然で、いい映画になっていた。
監督は、写真家としてのキャリアもあるらしく、映像の作り込みが素晴らしい。いい意味で確かにアニメの実写版ということを実感した。ところどころアニメと同じ構図で、同じカットつなぎだったりする。それがアニメファンにとってはうれしい。
その一瞬一瞬を撮るには、かなり時間をかけたであろうことは想像に難くない。いくらCGで作り込めるとしても、時間をかけて(季節をかけて)撮影されたことが画面に表れている。
特に小学校、中学校時代の主人公二人の描写は、とても繊細にカットを積み重ねて生き生きと描かれていた。この時代が肝なので当たり前だが、素晴らしい。
ドラマ部分は、シナリオがよくできていた。アニメ以上に感慨深く静かな感動があった。
すれ違いの切なさと、あの中学時代の別れに込められた想いに泣ける。さめざめと泣く松村北斗を観ながらこちらも涙が止まらなかった。
主役の松村北斗、高畑充希、小中時代の上田悠斗、白山乃愛など、役者はみんな良かった(ほんのちょい役の戸塚純貴もよかったし)。そしてそれぞれがいつもと違う顔をしていた。その点も素晴らしい。
特に森七菜は、最初気づかなかった。で、森七菜がとてもいい仕事をしている。森七菜は、今年「ファーストキス 1ST KISS」「フロントライン」「国宝」と、脇役で印象深いいい仕事をしている。
あと久々の宮崎あおいが、落ち着いた大人の女性を爽やかに演技をしていた。
映像詩的でありながら、ドラマ部分もとてもよく出来ていて、ほのかな感動があり、今年1、2を争う傑作だと思う。
mac-inさま🙂
公式サイトやSNS、パンフにも掲載されていない、奥山由之監督のインタビューを見つけました。
「GQJapan」&「奥山由之」で検索すると、貴重なインタビューが読めます。
10/17「本作へのアプローチの仕方や写真撮影との共通点」
10/22「作品のテーマや子どもたちへの演出方法」
コメント欄を占拠してごめんなさい。返信は大丈夫です🫡
macinさま
コメントをもう一つだけ…😗
貴樹のプラネタリウムのナレーションを聞いた明里は、「ナレーション/遠野貴樹」の文字を見つけて、「貴樹くんは大丈夫」と安心して、約束の日に再会せず海外に旅立ったのだと思いました。
明里と再会できなかった貴樹は、これからは明里の存在が北極星のように道を照らしてくれるといいな、と思っています😙
mac-inさま
コメントありがとうございます🙂
この映画を観てから毎日生まれる新しい気持ちを、言葉にしきれずもどかしい思いをしています。
奥山由之監督は、写真家出身でCMとMVを手掛けていたことが、随所から伝わる映像だと思いました。
映画の撮影は、mac-inさんのレビューにある通り、昨年夏から今年の春にかけて丁寧に四季を撮影したそうです。
地下鉄の中で突然「One more time, One more chance」が鳴って、貴樹が飛び降りて駆け出すシーンは、15秒で切り取ったらCMのような演出だと思いました。
上田悠斗くんはこの映画がデビューで、舞台挨拶も緊張して貴樹のようにぎこちなくて、映画の撮影中には松村北斗さんが父親のように遊びに連れて行ってあげたそうです。
白山乃愛ちゃんは東宝シンデレラガールを最年少で優勝しただけあって、映画の中の演技だけでなく、舞台挨拶の立ち居振る舞いも既に子役じゃなくて“女優”の貫禄でした。
松村北斗さんは初の単独主演、今までの作品は舞台挨拶で言葉を選んでましたが、今作では共演者をフォローしながら暖かく見守ったり、言葉が出ない奥山監督に突っ込みを入れて皆を笑わせたり、すっかり座長の顔になってました🤭
mac-inさま
いつも共感ありがとうございます🙂
「映像詩的」というワードを初めて知りました。この4文字だけで、実写版を語れる言葉だと思います。
mac-inさんに「今年1、2を争う傑作」と評価されると、何だかとってもうれしいです。もう1回観に行くことにしました。
レビューは松村北斗さんメインで書きましたが、森七菜さんは今年この4作で助演女優賞当確ですよね🫡
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