劇場公開日 2025年10月10日

「嫉妬心に火が付く作品」秒速5センチメートル 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 嫉妬心に火が付く作品

2025年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2007年に公開された新海誠監督のアニメ作品の実写版でした。アニメの方は観ていないので比較できないのですが、アニメ版の主題歌には山崎まさよしの「One more time, One more chance」が使われていたということで、なるほど本作でも重要な劇中歌として使われていた訳ですな。

お話の方ですが、松村北斗扮する主人公・遠野貴樹の小学校時代から高校時代、そして社会人になった現在と過去のシーンを横断する”ラブ”ストーリーでした。というか、本質からいきなり外れた話をするなら、少年時代から大人になるまでずっと可愛い女の子に恋い慕われている上、高校時代の美人教師(宮﨑あおい)からも気に掛けられるなんて、全く羨ましい限りだぜ。色男ってのは本人がどう思うかなんてことは関係なく、周りの女性が放っておかないものなんだなと、作中のキャラクターに嫉妬したあたくしでした。

でも興味深かったのは、貴樹の恋愛に対するスタンスが、小学生時代を頂点に、年を経るごとに右肩下がりしていること。親の転勤の都合で小学校時代に仲が良かった明里(高畑充希)と別れたのがトラウマになったのか、それとも若くして何かを悟ってしまったのか?ただ社会人になった現在も、理沙(木竜麻生)と付き合っていたので、決して恋愛をしないと決めている訳ではないようで、だからこそ理沙につれなくする貴樹には腹が立つんだよなあ。

そしてSEとして働いていた会社を辞め、上司(岡部たかし)に紹介されたプラネタリウムの運営会社で働くことになった貴樹。結局すれ違いになったものの、明里の痕跡を見たことでかつての記憶が蘇った貴樹に去来したものは、小学生時代に置いてきた他者に対する関心だったのか?結局明里とはすれ違いのままエンディングを迎えたものの、理沙に謝罪することで再生された貴樹の未来には、きっと幸があるのでしょう。というか、本作で最も感情移入出来たキャラクターが理沙だったので、彼女にも幸があって欲しいです。

以上、終始色男に対する積年の嫉妬心を抱えたまま観た作品でしたが、それを差し引いてみると、成就しない恋愛が続く展開が実に味わい深いものではありました。
また俳優陣も、「夜明けのすべて」や「ファーストキス 1ST KISS」で好演した松村北斗が、本作でもいい演技を魅せてくれました。明里役の高畑充希も同様に上手かったですが、2人の小学校時代の子役も非常に上手く、しかも松村や高畑っぽい雰囲気を醸し出しており、その点も評価できるところでした。

そんな訳で、本作の評価は★3.8とします。

鶏
ひなさんのコメント
2025年10月19日

鶏さま
共感とコメント、ありがとうございます😙
“ニヤリ”としていただいて良かったです。

※コメント修正して再投稿です🫡

ひな
ひなさんのコメント
2025年10月19日

鶏さま🙂
この映画で嫉妬心に火が付いたのは、鶏さんだけでなく「ほっくん(松村北斗)」のファンもだと思います。

貴樹のプラネタリウムのナレーションを聞いた明里は、「ナレーション/遠野貴樹」の文字を見つけて、「貴樹くんは大丈夫」と安心して、約束の日に再会せず海外に旅立ったと思いました。

明里と再会できなかった貴樹は、これからは明里の存在が北極星のように道を照らしてくれるといいな、と思っています。

明里(子役)を演じた白山乃愛ちゃんは、東宝シンデレラオーディションを最年少で優勝、舞台挨拶の立ち居振る舞いは子役ではなく“女優”でした🤭

ひな
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。