劇場公開日 2025年10月10日

「追体験と思いきやよく考えてみると自分も似た経験してた」秒速5センチメートル レッドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 追体験と思いきやよく考えてみると自分も似た経験してた

2025年10月15日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

驚く

見てすぐの感想は『主人公もっとしっかりせえよ』だったけど、私は見た目もそんなだしあまりモテない人生を送ってきたので、何の努力もなくモテる主人公を羨ましく感じながら映画館を出ました。

ラストで跡が残るほど涙を流し、感慨にふけったのはこの作品による追体験のためだと思ってました。

しかし翌日仕事を終え、電車の中でふと思い出したんです。自分も小学生だったとき好きな人が引っ越した経験があったなあと。

その人とは小学校5年のクラス替えで仲良くなり休憩時間や放課後にたわいのない話をして笑いあう仲ではあったものの、ずっと私の片想いだと思って過ごしていました。

それから1年が経過した引越し当日、その人に『今から好きな人の家に行くから一緒について来て』と言われ、ブラブラと歩いた先が私の家でした。

あっけにとられながら、また照れもありその場しのぎの会話を延々としたのを覚えています。その後、こちらからは告白もせず、家まで送り、別れました。今思えば、告白しておけばよかったと思いますが、当時は自信がなかったのだと思います。(今もないですが、、、)そのときのその人の気持ちを考えると胸が痛くごめんと謝りたい気持ちになります。

次の日から喪失感で一杯でした。
学校が終わると、もういないとわかってるのに意味もなくその人の元自宅を幾度となく訪れました。そういった経験を経た1年後、別の人に恋もし、すっかりその人のことは忘れてしまってました。

そしてさらに3年が経ち高一の春、仲良くなった私の友達が中学校の卒業アルバムを見せてくれたのですが、その中にその人の姿がありました。
驚きました。
すかさずその友達に、『次その人に会うことがあれば俺のことを伝えてくれないか?』とお願いしました。

半年後、その友達から『お前のこと伝えたら、覚えていてくれたことが嬉しいって言ってたよ』と教えてくれました。私はそれを聞いて何故かがっかりしたのを覚えています。内心あちらからのアプローチを期待してたのか、またはいろんなことがあり自分に自信をなくしていた時期だったのでその発言をネガティブに捉えたのかもしれません。

自分が映画のラストで涙を流したわけは単純に映画のヒロインが相手の幸せを願う深い愛に感動したのもあると思いますが、それ以外に深層心理で『なぜ引越しのときに勇気をもって告白してくれたのに私の気持ちを伝えることが出来なかったのか、高校で再会のチャンスがあったのになぜ誘わなかったのか』という後悔の気持ちが映画とリンクしてのことだったのかもしれません。

私もみっともない、いくじなしのくせに主人公に『もっとしっかりせえ』と思ってしまった自分が恥ずかしいです。

レッド
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