「納得いく結末」秒速5センチメートル monyoさんの映画レビュー(感想・評価)
納得いく結末
アニメを見た人がほとんどだと思うのですが、さすがにアニメと同じ構成では芸がなさすぎるので、アニメでの3話目を主軸に記憶をたどっていく感じの構成にしたのはよかったと思います。プラネタリウムや科学館など実写版だけのオリジナル要素もまぁ良かったと思いますが、唯一大人の明里が一般人になりすぎた感がいただけないかなと思いました。やっぱり貴樹が未練たらたら思い続けるに足る感じが欲しかったです。子供の明里は可愛かったのに、大人になって急に普通になって書店員っていうのも、現実感溢れすぎてアニメのファンタジーっぽい感じがなくなってしまった感がありますね。
とは言っても、アニメを見た側としてはラストが結局会えるのかすれ違うのかというところが肝なわけで、この実写版では貴樹と明里のニアミスを作りまくってこれは会ってハッピーエンドなのかな?と思わせる部分は上手かったと思います。それで最後はまさかの踏切のシーン、、、このシーンが特に2台目の電車が入ってくるタイミングや貴樹の動きがアニメ版そのまま再現していて個人的には感動しました。
アニメ版は説明が足りな過ぎて、踏切でのすれ違いエンドがトラウマのようになっていましたが、この実写版はしっかりとエピソードや心理描写を積み重ねていって、すれ違う2人の心情もよく理解でき納得のいくすれ違いだったと思います。アニメ版の貴樹はコイツ大丈夫なんか感が出ていましたが、実写版貴樹はこれからも大丈夫感が出ていましたので、安心して映画を見終えることができました。
ということで、アニメを見ていない人がこれを見てどう思うのかは分かりませんが、少なくともアニメを見て多少なりともトラウマを植え付けられた人のことは救ってくれた映画だと思います。
アニメ版はどことなく人の心が欠けた冷たさがありましたが、実写版はしっかりと人間の温かみを感じるちゃんとした大人の映画だったと思います。
まぁ、と言ってもせっかくなので2人で会ってハッピーエンドでも良かったかなと思うので、星4.5にさせていただきました。
後は雑感なのですが、
種子島編の花苗はいかにも高校生って感じだったので子役だと思ってたら、森七菜でびっくりしました。自分は森七菜と言えばこの恋あたためますかの印象が強いので、まったくの別人に見えましたね。
子役と大人役、顔とか雰囲気とか似てる人をよく探してきたなって感じで感心しました。
映像も昔のシーンとかはオールドレンズで撮ったかのような色使いやフレアが良かったですね。アニメを再現したシーンもいくつもあって楽しめました。
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