「1991」秒速5センチメートル ゆみなさんの映画レビュー(感想・評価)
1991
公開初日初回に観賞。
私はアニメの方があんまり好きではなくて…じゃあなんで実写の方は観るんだよって、それは奥山由之監督で松村北斗主演で米津玄師が主題歌だからです。観てよかったよ。
初恋を大人になってもずーっと引き摺ってる男の話かな…って思うんだけど、中学生の頃彼女と交わした約束が、いつの間にか呪いのように彼を繋ぎ止めて、そこから抜け出したらようやく時間が動き出したって感じ?なんかね、彼も苦しかったのかもしれないけど周りの女の子たちも相当苦しいよ…。
個人的にいちばん刺さったのは高校生の頃の貴樹(青木柚)と花苗(森七菜)のパートで、なんか全然違う方向向いてる男の子に恋する女の子の切なさがめちゃくちゃ伝わってきまして最高でした。一緒に帰りたくて待ち伏せしてたのに偶然を装う感じとか、ちょっとでも可愛い自分で居たくて前髪直してるところとか、ヨーグルッペ飲みながら吸っていたストローを口から離した時に出る音気にしたりとかさ…全部がなんか身に覚えがあるような甘酸っぱさなんだよ。2人でカラオケ行って話しただれかの恋の話も、バイクが壊れて歩いて帰った長い道のりも、一方通行すぎる想いが溢れて泣いちゃうところもさ…その全部に胸が痛くて泣きそうになっちゃった。日焼けしてる森七菜ちゃん可愛かった。
逆に物語の肝となる小学生~中学生パートはどうにも親目線で観てしまうところがあって苦手なんだけど、アニメ版と違ってモノローグがだいぶ少なくなってたのが功を奏したのと、桜の木の前のキスまでで留めてくれたのでなんとか耐えられた感じかな。さすがにあのシーン入れないと大人パートに繋げられないもんね。
大人パートではアニメにない部分も付け足されていて、貴樹は上司の久保田(岡部たかし)から紹介され科学館のプログラマーとして働くことになるんだけど、そこでプラネタリウムのプログラミングと音声解説まですることになるんだよね。ボイジャー1号と2号がそれぞれ別々の道を行くって話すところがとても好きでした。松村北斗くんの声もいいんだよな〜。
お互いがお互いのニアミスに気付きながらも待ち合わせ場所に行く貴樹と行かない明里(高畑充希)。なんだかこの対比が男と女だよな〜って思いつつボイジャー1号2号を想起させるのは上手いな〜と思った。
桜の木まで歩いた雪に残る足跡が、あの頃と違って1人分になっていたのも切なかったし、桜の木から落ちる花びらと雪が重なって綺麗で切なくて…なるほどこれが秒速5センチメートルなんですね。
エンドロールの1991もめちゃくちゃ沁みたなぁ…やっぱり米津玄師の楽曲で物語が更に完成される気がする。忘れたくない綺麗な場面が頭の中に次々に浮かんできて、更に余韻に浸ることができました。いい映画でした。
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