「古めかしい。過去に生きるより未来に向かって、生きろよタカキ‼️」秒速5センチメートル 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
古めかしい。過去に生きるより未来に向かって、生きろよタカキ‼️
家に戻ってすぐに原作アニメの「秒速5センチメートル」を
観直しました。
「桜花抄」はほぼ原作に忠実です。
タカキが雪で遅れに遅れてたどり着いた「岩舟駅構内」
アカリはお握りとおかずと温かいほうじ茶を用意して23時過ぎまで
待っていてくれました。
会えて安堵で、したたるアカリの涙。
(この涙は少なめでした)
駅を追い出されて、大きな桜の木まで行き、キスを交わした。
そして農家の納屋で一晩を過ごします。
(一晩をどこで過ごしたかは描かれませんでした)
そして始発の電車でタカキは帰ります。
「アカリを守るチカラを付けよう、と心に誓って」
タカキにとってアカリに会いに行った13歳の3月の大雪の日。
それはタカキの《人生のピーク》のような《メモリアルな出来事》
彼は最上のもの、愛の陶酔と完結を、若くして見てしまったのです。
それからは余生のような人生を斜に構えて淡々と生きている。
「俺の俺の人生にあれ以上の幸福な時間は2度とこないのだ」
虚無に支配されたような29歳のタカキ。
私はせっかく29歳のタカキ(松下北斗)と、登場しない筈の
アカリ(高畑充希)の日常を描いたのなら、
2人を会わせたかった。
タカキに現実のアカリを見て、29歳になったアカリと正面から
向き合ってほしかった。
2人は何度もすれ違い
2人は何度もニアミスをする。
もうドキドキしました。
線路の遮断機が降りて、電車が通り過ぎて、遮断機が上がったとき
アカリがそこで待っていることを、願いました。
思い出の中の【理想の女性像】
その生身の姿と、タカキは向き合うべきです。
そうしないと、いつまでも思い出を引きずる負け犬みたいな人生ですもの。
脇を固める吉岡秀隆の存在感。
名優は本当に輝くのですね。
宮崎あおいのさりげなさも良かった。
松下北斗と高畑充希は、演じ足りなかったでしょうね。
名作とお墨付きの原作アニメを実写化するに当たり、
改変と冒険を躊躇った優しい奥山由之監督。
原作と同じことをしていても面白くない。
勇気と新展開・・それが欲しかったです。
実写だと貴樹が正直カッコよくない奴ですよね!アニメだとそういった部分が見えないし、ただただキレイで切なく描かれてるので上手く作品としてまとまってるなって思いました。
私も原作を先に観てたら評価は変わってるかも。
共感ありがとうございます!
アニメ版は観ていないのですが、この作品のプロットだったらアニメの表現の方が格別に良い結果につながりそうですね。
おっしゃる通り、吉岡秀隆の存在感と宮崎あおいのさりげなさが良い味を出していますね。凄く地味な役なので気付いていない方も多いかと思いますが、「かなさんどー」でおかあの役をやった堀内敬子も出ているので、もう少し宮崎あおいのようなサポート役を任せたら号泣できる作品に仕上がったと思います。
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