「【”昔、出会った大切なものは、想い出ではなく日常。”今作は、同名オリジナルアニメーションの掌編3話をほぼ忠実に描きながら、センスあるアレンジメントを施した見事な実写化作品である。】」秒速5センチメートル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”昔、出会った大切なものは、想い出ではなく日常。”今作は、同名オリジナルアニメーションの掌編3話をほぼ忠実に描きながら、センスあるアレンジメントを施した見事な実写化作品である。】
ー ご存じの通り、今作は2007年に公開された新海誠監督の短編(63M)アニメーション映画の実写化作品である。
間延びしていないだろうか、という懸念を抱えつつ、映画館へ。
結論から言うと、間延びどころか、あっと言う間の2時間であり、且つ随所で沁みるシーン多数の作品であった。-
■粗筋
1991年春。東京の小学校で出会った貴樹(長じてからは、松村北斗)と転校して来た明里(長じてからは、高畑充希)は隣同士の席になり、貴樹が”僕も転校生だった。”とノートに書き明里に優しく接した事で、二人は急速に仲良くなる。
卒業後に離れ離れになるが、二人はガラケーでメールのやり取りを続けており、中学生になった時に、貴樹は栃木に引っ越した明里に雪の中会いに行き、桜の木の下で抱擁した後に18年後に会おうと約束を交わす。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭、貴樹はプログラマーとして働いているが、余り周囲と交わろうとしない。同じ職場に恋人、水野(木竜麻生)が居たが、彼女の家に行っても一緒にTVを見たりするだけで、進展はしない。貴樹の眼は水野を見ていないように見えるのである。そして、貴樹は会社を辞めるのである。
明里に”大人になった時に、キチンとした人になっているかな・・。”と言っていたのに。
・次に、貴樹が高校時代を過ごした種子島のシーン。同級生の花苗(森七菜)は彼の事が好きで、”Radio Head"のファーストアルバム”Pablo Honny"を借りている。ここでバックで流れるのは”アルバム内の”Thinking About You"なのである。
更にカラオケに誘い、姉が好きな映画「月とキャベツ」のメインテーマである山崎正敏の”One more time ,One More chance"を流すが、進展はない。花苗は”彼は、私を見ていない・・。”と言って涙するのである。
・貴樹は、先輩の紹介でプラネタリウムの或る天文研究所でプログラマーとして働き始める。そこに書店で働いている明里が、配達漏れがあった本を雪の中、運んできて館長(吉岡秀隆)の誘いもあり、貴樹がナレーションするプラネタリウムで夜空を眺めた後に、雪降る風景を見ていた小学生達に”雪って、秒速5センチメートルで落ちるんだって。”と且つて貴樹に言っていた言葉を掛けてその場を去るのである。
貴樹は、小学生達からその言葉を聞いて、外に駆け出すが明里はいない。
・貴樹は明里と約束した29歳の時の3月26日に、且つて抱き合った栃木の小さな駅の近くにある桜の木に出掛けるが、そこに明里は来ない。
ー だが、彼は且つて、明里が良く言っていた”貴樹君は大丈夫だよ。”という言葉を思い出すのである。
そして、久しぶりに水野と出会い、彼女から借りていた折り畳み傘を返してから彼女の好きだった多くの点を初めて口にするのである。水野は嬉しそうに聞いていたが、”遅いんだよ。”と言いその場を去るのである。
貴樹は何かが吹っ切れたかのように歩いている。
そして、ある桜舞う踏切で明里と擦れ違うが、二人は相手に気が付かない。が、少しだけ振り返った二人の前を列車が通り過ぎ、貴樹だけがそのまま線路の向こうを見ると、明里はもういないのである。ー
<今作は、オリジナルアニメーションの掌編3話をほぼ忠実に描きながら、センスあるアレンジメントを施した見事な実写化作品なのである。>
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<以下、オリジナルアニメーション「秒速5センチメートル」の拙レビューです。>
第1話「桜花抄」
小学6年生だった貴樹と明里の仄かなお互いへの恋心。
そして、中学生になった貴樹が、栃木に引っ越しした明里を、雪が降る中訪ねて行く心の不安と、久しぶりに再会した二人の雪が舞う中の接吻と、朝日が差し込む中での二人の姿が、二人の未来を暗示するようなシーンが印象的。
第2話「コスモナウト」
貴樹も中学の半ばで東京から引越し、遠く離れた鹿児島で高校生生活を送っていた。
同級生の花苗は、中学生のころから貴樹をずっと思い続けていたが、彼の心は別のところにあると知っていた・・。
ー 花苗自身の心中を自ら語るモノローグの言葉が、切ない・・。-
種子島から発射されたロケットが、”二人のそれぞれの将来に祝福あれ・・”と言うことを暗示していたシーンが印象的。ー
第3話「秒速5センチメートル」)
社会人になり、東京で働く貴樹。だが、明里の事が忘れられず、付き合っていた理沙から”心が私に向かっていない‥””と指摘され、別れ、やがて会社も辞める。
だが、春が訪れると、貴樹は昔から歩きなれた道の踏切で"ある女性"とすれ違い・・。
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■男は、いつまでも初恋を忘れられずに、女は逞しく今を生きるのである・・。
NOBUさま🙂
週末の大切な時間に、大変失礼致しました。ウチは2人とも不規則な仕事なので、週末の晩酌は憧れです。
SAKURAIさんとは、「直接お詫びを伝えることが出来ない状況」になってしまいました。
誤解を解きたくて、「ごめんなさい」と一言伝えてもらおうと、図々しくお願いしてしまいました。
※作品に関係のないプライベートのコメントは、順次削除させてください🫢
NOBUさま④
長くなりましたが、最後にこの作品について😙
誤解を恐れずに言えば、18年前のアニメ版『秒速5センチメートル』の存在は、ある意味「初恋の人」なのではないかと思っています🤭
共感ありがとうございます!
アニメ好きなのに2007年に公開されたのをチェックしていなかった自分が恥ずかしくなりました。こういうのはやっぱり、ちゃんとアニメと実写を比較してこそ本当の楽しみ方が出来ますよね。
共感ありがとうございます。
中学迄の二人(特に女の子の方)が初々しくて素晴らしいんですが、ここで二人だけの世界に突入して行った様で男の子の拗らせの原因になったのかな?と感じてしまいました。
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