劇場公開日 2024年12月20日

「まさかの、あるいは当然の?続編」ヘヴィ・トリップII 俺たち北欧メタル危機一発! つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5まさかの、あるいは当然の?続編

2024年12月21日
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鑑賞方法:映画館

「メタル・コメディ」という世界初のジャンルを確立した「ヘヴィ・トリップ」続編の知らせを聞いた時にはにわかに信じられない気持ちと、何故か湧き上がる高揚感に戸惑いを覚えたものである。
今年公開の映画の中で、最もワクワクしていた映画かもしれない。
ちなみに興奮気味に「ヘヴィ・トリップⅡ観に行くんだ〜」と同僚たちに話しても薄い反応しか返って来ず、世間とのギャップを痛感。まぁ、慣れてますけどね。

どこか牧歌的でピュアで抜けてるところが妙に味のある前作に比べて、今回は割とフツーのバンドムービーだったのはちょっと残念。
ユル〜い感じの刑務所(刑務所というより介護施設みたいだったけど)とは言え、ピュアボーイたちもちょっとワイルドなメタル野郎になったってことなのか。

前作同様、ステージに立つためにわちゃわちゃする話ではあるけれど、今回はメンバー同士意見の食い違いもあり、とにかく全員でバカやっていたテンションとはちょっと違う。
皆でロットヴォネンの家の地下で練習していた時とは気持ちが違っていて、前作ラストのステージがインペイルド・レクタムに何らかの化学変化を与えたのだと思う。それが刑務所という限定的な場所では表面化しなかっただけで、脱獄して自由(一応逃亡中だから全然自由じゃないはずなんだけど)になることで徐々に明らかになっていく。
まあ、なんかピンチになっても、思った通りにならなくても「これもメタルか」の一言でオールオッケーにしてしまう懐の深さは健在。

今回のテーマは、一周回って「仲間って良いよね」ってことなのかもしれない。頑固だったりバカだったり、みんなそれぞれ違うけど、それでも側にいてくれたり、同じ音楽が好きだったりしたら、仲間ってことでしょ?という事に気づく。
「お前の意見なんてどうでもいい」という境地と、それでも「隣にお前らがいなきゃ意味ないんだ」という愛。その絶妙なバランスの中で、私も君もみんなも生きている。
なんか無理やりまとめた、ような気もするけど「これもメタル」なんで良し。

出演すること自体は知ってたけど、BABYMETALの登場シーンが予想してたより長い&多くて、しっかり1曲披露してくれる。しかも結構重要な役どころだし、BABYMETAL好きなら観に行って損はないかも。

映画自体の出来としては前作よりフツーになってしまっていて、なんか消化不良な気もするけど、「インペイルド・レクタム」が好きだ!っていう気持ちは変わらなかったな。

とりあえずTシャツは買いました。どこに着ていけばいいんだろう?
3作目を製作する予定があるらしいから、その時着て行けば良いか!

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つとみ