「ドラマ見てなくても楽しめます!エンタメ映画の正解」劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション うえぽんさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマ見てなくても楽しめます!エンタメ映画の正解
テレビドラマは2話くらいしか見てなくて行こうかどうか迷ってる方、大丈夫です。ほとんど問題なく楽しめます。はい、私がそうでしたから。
それにしても今回の災難は諏訪之瀬島の大噴火とかで。このところのトカラ列島の群発地震といい、たつき諒の夢日記といいい、カムチャッカ地震といい、なんてタイムリーな。ということで割と今後起こり得る危機として現実味を持って見ることができます。
この手の映画のなのでいろいろご都合主義なはもちろん、ピンチを切り抜けるとさらに大きなピンチが待っていて、という王道のセオリーに則って作られています。それをわかった上で鑑賞していてもやっぱりハラハラドキドキさせられちゃう。そういう意味ではこの手の映画のある種の正解のような気がします。ひねくれた映画通でなければきっと楽しめます。
あと、意外と大噴火のCGがよくできてました。やっすいドラマでよく見るようななんちゃってCGではないのがよかったです。噴石が飛んでくるところとか火砕流とか結構恐怖を感じました。諏訪之瀬島って移住者を募集しているのにこんなの見たら怖くて行くの躊躇しちゃいますね。
ここからは個人的な話ですが、実は諏訪之瀬島ではありませんが隣の島に住んでいたことがあり、離島の医療の困難さは身を持って理解しています。トカラ列島(十島村)は、有人7島すべて医者が常駐していないんです。普段は1人か2人の看護師さんだけで、月に2回、本土か奄美から先生が巡回するんですね。だから急患があると本土か奄美から医師が乗ったドクターヘリが来てくれるのが基本で(「コード・ブルー」のような感じです)、それが来れない時は県の防災ヘリや自衛隊が来てくれます。
今回の南海MERのように手術できるフェリーや車両が来てくれたら確かに頼もしいですが、実際は海が荒れて定期船もしょっちゅう欠航するくらいだし、やっぱり船は移動するのに時間がかかりますよね。現実的に考えたら、南海MERのような発想は出ないでしょうね。それより前に、やはり医師を各島に最低1人ずつ駐在させるのが先かなと。予算的にもその方がはるかに安い。だけど島民数十人に1人医師を付ける余裕はこの国にはないんですよね。
とまあファンタジーにリアリティを持ち込むのは野暮とは分かっていますが、映画の舞台が架空の島ではなくて実在する島である以上、そんな感想を持たずにはいられませんでした。
いろいろ書きましたが、映画としてはとてもわかりやすくよくできています。テンポもいいし役者さんの医者や看護師っぷりもカッコいい。見終わって嫌な感じもしないのでぜひ劇場へ。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。