名もなき者 A COMPLETE UNKNOWNのレビュー・感想・評価
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歌に涙してしまった
平成生まれですが、洋楽を愛する両親の影響でボブ・ディランの存在は知っていました。
特に『We Are the World』での彼の独特な歌唱には、子供心にも強く引き寄せられたものです。
しかしボブ・ディランの楽曲と言えば『風に吹かれて』くらいしか耳にしたことがなく、それが逆に良かったのかもしれません。そのおかげで、彼の音楽に触れる新鮮さを感じることができ、またその人生の印象的なシーンにも惹きつけられました。
特に印象に残ったのは、最初のジューンとのデュエット。思わず涙がこぼれてしまい、、ラストに向けては、彼の持ち続けた信念に圧倒され、、自分の信じる道を貫き通す強さ。自分を信じ、突き進んだ天才には誰も敵わない。改めて「信念を持つこと」の大切さを痛感!!!わたしもがんばろう。
ティモシーシャラメはもちろん、エドワードノートン、エルファニングも良かった...
こんなに毒が抜けるもんなのね、エドワードノートン笑。
Bob Dylanといえば、ガロの「学生街の喫茶店」
あまり響いていこない…
フォークにはまらず
バエズの歌声が素晴らしい
I-MAXで見るべき作品です。1960年前半のディランを当時の音楽、社会、世界情勢などを含めて描かれています。キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争の時代の中でディランの人間性が作られて行き、フォーク、ゴスペル、ブルース、カントリーなども含まれているディランの音楽が生まれます。映画の中のディラン、ピート・シガー、ジョーン・バエズ、ジョニー・キッャシュ達の演奏は本人よりも出来が良いのでは?と思う程です。ビートルズ、キンクス、PPM、マリア・マルダー等の名前も絡めて当時の雰囲気が完璧に描かれていました。また、ディランとキッャシュが麻薬中毒を思わせるシーンも有ります。コロナ禍とストのため撮影がストップして完成までに5年かかり、この間ギターを猛練習して映画の完成度は上がりました。アカデミー賞は受賞できませんでしたが、バエズ役のモニカ・バルバロの演技と歌声は最優秀助演女優賞の価値があると思います。続編で、ザ.バンドとのベースメントテープ、プラネットウェイブ、全米ツアーまでが同じキャストで作られたら嬉しいです。
シャラメディランが素晴らしい
ティモシー・シャラメの歌、歌、歌
あの時代の曲を映画館で聴けたのが良かった
天才表現者の生き様ムービー
私はボブ・ディランという人をよく知らない。
なので舞台である1950-60年代の曲は全く心が惹かれませんでした。それが全体の3分の1か、4分の1と感じるぐらいあります。その殆どが荒っぽいカントリーソングです。とにかく長いです。文化的や歴史的な意味があると言われても、それ自体を映画の内容に落としてくれないと分かりませんでした。
ただ、その時代に歌が大ヒットして神様みたいな立ち位置に押し上げられたけど、それがイヤ。主人公は心の中を他人から勝手に決めつけられたくない、旅人のような人というのは伝わってきました。むしろ、それしかないかもしれません。
後になって他人から、それまで恋愛ソングしかなかったロックに詩的な内容を込めた先駆けの人と聞いて納得する部分もあるが、やはり、それ自体を映画にしてくれないと分からない。要するにボブ・ディランの軽い自己紹介みたいな映画。
歌唱に聴き惚れ、エモーショナルな描写に酔う
ボブ・ディランが駆け出しからスターダムに登り詰める映画中盤までの描写に圧倒されました。
俳優陣の歌唱はいづれも素晴らしく思わず拍手しそうになりました。また60年代のアメリカの世相や風俗をうまく織り交ぜ、叙情溢れる絵作りになっています。このあたり職人監督マンゴールドの手腕が如何なく発揮されていますね。
終盤は音楽の方向性を巡る対立やニューポートのフェスのシーンに少し時間を割き過ぎたようにも感じましたが、実話に基づく部分だし、必ずしも聖人ではない天才ディランの肝となる部分だったので、これはこれで良かったのかも知れません。
前半ディランとシルヴィがデートで観ていた映画 ベティ・デーヴィスの「情熱の航路」ですかね。映画.comのように感想を交歓する二人の初々しい描写にはほっこりさせられました。
あとタバコのシェアって今流行なのでしょうか?(アノーラでも見たような)
育った場所を超えること、レッテルの拒否。
2024年。ジェームズ・マンゴールド監督。何者でもない若き青年ボブ・ディランが、フォーク界であっという間に注目を浴びて成功する姿と、フォークにとどまらない作品創作の情熱との間で葛藤が生じていく姿を描く。何物にもとらわれない創作意欲は、周囲の人間関係や活動領域を次々と変えていくことにつながるという芸術家の苦悩。1960年代前半の数年間を描いているだけだが、既成の価値観が崩れていき、フォークが反戦ソングとして脚光を浴びていく時代に、意図せずにその体現者となってしまった男の姿が描かれる。
自分の過去を恋人にさえ明かさなかったり、ライブ中に途中退席したり、というお騒がせな言動は「レッテルを貼られることへの拒否」といえそうだが、それが人間関係では交際相手を怒らせ、活動領域では育ての親のフォーク界の大御所を悲しませることになる。天才の悲しい運命。
一度別れた恋人を時間がたった後でもう一度誘う時、二人はバイクに二人乗りする(ニケツというやつです)。このニケツシーンの躍動感がたまらない。明るい光と緑のなかを疾走する二人。ラストシーンでも新しい世界へと飛び出していく姿がバイクに乗る姿として描かれている。この映画でのバイクは「自由」そのものの表現なのだ。
あっぱれ、ティモシー・シャラメ。
ボブディランの若き日を描いた伝記映画。
伝記とはいっても、ほんの数年。しかし、そのわずかな年月に
数々のドラマがあったことがわかる。
ミュージシャンの伝記映画は、いろいろあるが、その中でも
最も心に響いた映画だった。
伝記ものにありがちな、お涙ちょうだいシーンはないし、
ドラマチックな演出はない。実際の話とは違う部分もあるが、
事実を淡々と描いているのが良かったと思う。
しかし、ティモシー・シャラメはすごい。噂通りのパフォーマンス。
ライブ録音らしいが、まさに、ボブディラン。
レジェンド中のレジェンドで、世界の頂点にいる
アーティストを演じ、歌まで歌うということで、相当の
プレッシャーだと思うけど、あっぱれです。
良かった
子供の頃からボブ・ディランの名前は知っていましたが、特に興味は無く、USA for AFRICAで初めて本人が歌う姿を見ても、メロディーに沿ってない歌い方も声も好きになれませんでした。
本作を観ようと思ったのは、予告編のティモシー・シャラメがカッコ良かったからです。
ディランの曲は「風に吹かれて」と「ライク・ア・ローリングストーン」をちょこっと聞いた事があるだけだから、知らない曲だらけで眠くなってしまわないように、前日に30分ほどYou Tubeを視聴しました。歌詞がいいなと思いました。そんな感じで鑑賞です。
まず、「ライオンは寝ている」から始まり、音楽映画として楽しいです。シャラメだけでなく、他の俳優の歌もとても良いです。
本作では若きディランが、才能を見い出されて一気にスターになったものの、周囲の期待と自分のやりたい事とのギャップに違和感を抱いていく姿が見られました。
ボブ・ディランという人は、気難しく、気まぐれで、いい加減な所がありますが、音楽への思いは真剣だと思いました。真面目に努力するというのとは違うかもしれないけど集中力がすごい。
詩のセンス、時代の流れを感じ取るセンスが天才的なんでしょうね。
フォークのファンがエレキギターを嫌うのは想像がつきますが、既存の曲に満足して新しいものを中々受け入れない、新曲さえ、というのはちょっと驚きです。
本作のニューポートフォークフェスのディランの演奏は最高でしたが、ブーイングの嵐が起こると同時に拍手喝采もありました。今の感覚では、これのどこが悪いんだろうと思ってしまいます。
大音量だけど芯の部分はブレていないと感じます。
余談。
子供の頃は地味で暗い、と好きではなかった日本の70年代フォーク。今はメロディや歌詞がきれいだなと思います。日本のフォークは情緒的ですね。
私が本場のフォークの方に興味が持てなかったのは、電子オルガン(エレクトーンの事ですが他社なので)の教材として知ったからかもしれません。シンプルだから、初級用のテキストによく載ってましたが、それだとフォークの魅力が分かりません。フォークは歌詞があってこそだなと思います。
苔むすくらいなら擦り切れるほうがまし
ボブ・ディランの初期の歌を聴きたくなった
1 音楽家ボブ・ディランの前半生を描く。
2 映画は1961年に何者でもないディランが病で歌えなくなったウディ・ガスリーを訪ねるところから始まる。そこでウディと見舞いに来ていたピート・シンガーに自作の歌を披露し、キャリアの切っ掛けとなる。この場面は、あたかも立会人の下で、プロテストソングの魂を古老から新人に受け継がれるようなシーンに思えた。
3 ディランはデビュー後、数年のうちに時代の寵児となった。キューバ危機やケネディ大統領の暗殺で国内が浮き足立つ中でも、ジョーン・バエズとともにギターを掻き鳴らし歌いつづけた。公民権運動において、彼等の歌のメッセージが人心に届けられた。ディランは、歌の言葉で時代の変革を説く一方、自身の音楽性に変化を求めた。アコギをエレキに変え、音楽活動はオーソドックスなフォークソングから幅を広げた。そこに世間がディランに求めることとディランのやりたいことにズレが生じ軋轢となった。劇中、フォークフェスにおいて、ディランのバンド演奏中に観客が批難し、ディランが訣別宣言したエピソードが語られた。
4 本作は、ディランの前半生を映画化した。生存しているだけに始末の仕方が難しいが、青年期に絞ったのは賢明であった。音楽家としての彼の武器は鋭いメッセージ。それを何かの紙の余白でもかまうことなく常に書きつづけた。こうして生まれたメッセージが60年代という時代に吹いていた変革の風と合致し、彼は望まないのに時代の代弁者とされた。彼はただウディガスリーを敬愛し、やりたい音楽を創り、去って行った彼女と生活したかった。それだけであった。
5 映画の暗めの色調や室内の美術といった道具だてや演奏シーンは時代の雰囲気で出て良かった。また、本作の主要メンバーであるボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、ピート・シンガーのそっくりぶりは見事であった。シャラメは台詞に演奏や歌唱と頑張った。ノートンの好人物ぶりも良かった。
すばらしい映画でした。でも…
本当にすばらしい出来栄えの映画だとおもいます。
でも、受け手の感性と知識がなければ、その魅力も半減するという代表作です。
まず、ボブ・ディランのことをよく知らない。風にふかれてぐらいしか曲がわからない。
それと、時代背景がよく分かっていない。後からああだったかと思い返せても、映画は止まらないから、あれよあれよという間に進んでしまう。本だったら、読み返すこともできるけどね。
自分の問題だから、作品になんの罪もない。
ただひとつだけひどく印象に残ったのは、恋人の心の動き。
美人の女優さんの演技がすばらしかったと思う。
価値観、世界観、住む世界の違うものどうしが惹かれ合うといのは、恋の常識かもしれないが、懸命な彼女は、後ろ髪をひかれながらも、彼のもとを去る。
涙です。
しっかりボブ・ディランのことを勉強してから、もう一度みてみたい映画でした。
作品は本当によくできた、すばらしいものだったと思います。
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