名もなき者 A COMPLETE UNKNOWNのレビュー・感想・評価
全186件中、161~180件目を表示
1960年代のフォークと、その時代の空気が満喫できる音楽映画
ドラマは、ディランが敬愛するミュージシャン、ウディガスリーが入院したという新聞記事だけを頼りに、ヒッチハイクで病院を訪ねるところから始まります。
主人公のがむしゃらな行動力、自分の音楽を聴かせたいという熱量が伝わって、秀逸なオープニングです。
その後、ピートシーガーの後押しもあってその存在が知られ、売れていきます。ピートは、自分勝手なミュージシャンが多い中、唯一とも言える人格者で、見ていてほっとする存在です。
この辺りの描写は、無駄な説明がなく、ほぼ音楽とその歌詞で、流れがわかるようになっています。
自分のやりたい音楽と、皆の求める音楽とが乖離していくとき、どう行動するか?
ここが最大のクライマックスであり、それを乗り越えたところで現在の彼が存在している。
そう納得させるエンディングでした。
徹底した上目遣いのティモシーシャラメ
ディランのカッコ良さを描いてほしかった
ボブ・ディランのファンです。
予告編でティモシー・シャラメのかなりの再現度を観て映画を楽しみにしていました。
正直一本の映画としては、かなりつまらなかったです。
ボブ・ディランを知らない方なら尚更そう感じると思います。
特に脚本が悪すぎます。
主軸で描きたいものがなんなのかはっきりせず、ディランの私生活にばかり終始していて、別に描かなくてもいいような女性関係や人間関係の部分が、かなり雑音になってしまっています。
実際そうだったのかもしれませんが「ディランってこんなやつだったの?」と大好きな歌と共に綴られ、別に見たくない部分だったなと思いました。
田舎から出てきた才能ある若者の成長譚として描きたい感じはするものの、ミュージシャンとしてのシーンは感情移入する間もなく進んでしまいます。
特に、ラストのニューポート・フォーク・フェスティバルでのシーンは、こんなテンションの上がらないライク・ア・ローリングストーンを聴いたのは初めてという気持ちになりました。
ディラン本人のドキュメンタリー「ノー・ディレクション・ホーム」を観た方が彼のカッコ良さは伝わると思います。
ティモシーの演技力、歌、他の出演者の再現度の高さは評価できるので星2をつけました。
これだけ役者が揃っていたのにもっと良く描けなかったのかと残念でなりません。
ニューヨークに降り立ってから伝説のフェスまての短い期間の映画
ボブ・ディランはあまりよく知らないが、曲は色んな人がカバーしていて聞いたことがある。ほんとがが知ってる歌でそれだけで楽しくなる。
時代背景もあって当時を知る人がみたらとても懐かしく思うだろう。知らない人はあの感じは理解できないのかも。
人の気持ちが読めないのか分かっているのにやっちゃうのか、周りにいたら困った人だ。
ラストのフェスでは一説によると涙ぐんでたとかという話もあるが、だとしたらボブ・ディランちょっと見方が変わってくる。
全体的にボブ・ディランの詩の世界観が出ていてジョーン・バエズのモニカ・バルバロの歌声がとても心地よい。
ストーリーとしては、エルビスやロケットマン、ボヘミアンラプソディみたいな波乱の展開って感じではなかった。
ちょっと、もう・・
エレクトリック転向?の罵声の中、ノッてる少数のお客さん、パンク誕生もこんな感じ?音楽映画はこういうファンへの刷り込みが在るから、敵わんよなぁ。
娯楽作を多数手がけたマンゴールド監督の編集、バッサバッサ。知ってるだろ?解るよね?コレは良いのか悪いのか。
エドワードノートンがイイ人過ぎる・・エルファニング、キュート〜初音映莉子さんは出演を知らなかった、凄い役。
ディランの音楽に浸かる…
1965
手に負えないほどの魅力の体現
気骨な精神の尖りと若さ
やりたいことと求められることとのギャップに葛藤し憂う表情
魅惑的な女性たちに囲まれ気まぐれに彷徨う独特な色気
器用だったり不器用だったり
優しかったりつっけんどんだったり
素直だったり嘘つきだったり
天然なわがままさが手に負えないほどの魅力を放ち人を虜にするボブ
彼そのものを体現していたティモシー・シャラメがとにかく素晴らしい
もじゃもじゃ頭、ギターを担ぐ猫背な後ろ姿もぴったり似合わせ、歌声、ギター、ハーモニカも心をざわざわ響かせ鳥肌が立った
ボブ・ディランをまた聴きたくなってしまう人が続出するだろうね
港のフェンス越しの二人の切なすぎる感じ、始まりと終わりのwカットにはいろいろあっても変わらない彼の核のような思いがみえ胸が詰まる名シーンだ
詩のなかに投影される彼の意思、メロディにあらわれる感情に動かされるライブ感もたまらず
物語を追いながら懐かしい気持ちまでこっそり呼び起こされるうち熱い涙がポロリの傑作でした
ぜひいい音で、劇場で
よかった・・・でも長かった。
それでもライク・ア・ローリング・ストーンが好きだ!
久しぶりに試写会に参加して、ボブ・ディランの映画「名もなき者」を見てきました。
アルバム「追憶のハイウェイ61」で「ライク・ア・ローリング・ストーン」を聞いて以来の大ファンですが、このアルバムにこんなエピソードがあったのは知りませんでした。
まずは、映画ファンとして本作品を見た感想ですが、ボブ・ディランを知らない人にとっては、ちょっと難しいと言うか退屈な作品になるのかな・・・・
本作品は、ボブ・ディランがデビューするきっかけとなる所から、ある意味、フォークギターからエレキギターに持ち替えた所までのお話です。
あの頃の時代背景などを知った上で見ると大変に見応えがあると思いますが、しかし、この手の作品をみて感じることですが、私自身も若い頃、俳優やミュージシャンに憧れて頑張ってきた頃があり、成れなかった自分がいて、夢を叶えた人の活躍が羨ましく思える事がありますが、しかし、夢を叶えても、それなりの格闘があるんですよね。
主演のディラン役のティモシー。シャラメは、実にボブ・ディランに成りきっていましたね。ボブ・ディランが時折みせる、刺すような目つきを完璧に再現している。
他の役者さんも関係者の役を実に自然に演じきっていて、なかなか見応えがありました。
しかし、ボブ・ディランが、フォークからエレキに持ち替えてもディランはディランと言う見方を持っていましたが、当時はやはりあれだけ騒ぎになるんですね。
しかし、誰が何と言おうとも、俺は「ライク・ア・ローリング・ストーン」が好きだ!
強いて本作品に注文をつけたいのは、「風に吹かれて」にせよ、「時代は変る」にせよ「ミスター・タンブリン・マン」にせよ、この曲が出来たエピソードがもっとしっかり欲しかったかな・・・・
私が19歳の時、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズと一緒に日本武道館のステージに立ち、「戦争の親玉」を唄う前にボブ・ディランが、MCで、「次は「戦争の親玉」を唄うよ、この曲はプロテストソングさ、今でも唄っているよ」と言って唄い出した事を思い出しました。
しかし、まだまだ、伝説になるには早い過ぎるぜ、ボブ・ディラン!
何時までも答えなんかみつけずに、歌い続けてくれ!
時代は巡り、懐古も巡る中、一人の若者は「規定されない自分」を模索していた
2025.2.28 字幕 イオンシネマ京都桂川(Dolby Atmos)
2024年のアメリカ映画(141分、G)
原作はイライジャ・ウォルドのノンフィクション『Dylan Goes Electric!』
実在のミュージシャン、ボブ・ディランの若き頃を描いた音楽伝記映画
監督はジェームズ・マンゴールド
脚本はジェームズ・マンゴールド&ジェイ・コックス
物語の舞台は、1961年のニューヨーク
憧れのフォークシンガー、ウディ・ガスリー(スクート・マクネイリー)に会うために上京したボブ・ディラン(ティモシー・シャラメ)だったが、ウディは病気のためにニュージャージーにて療養していると聞かされる
ヒッチハイクで乗り継いで病院に向かったボブは、ようやくウディと会うことができた
だが、彼はハンチントン病に冒されていて、まともに話をすることもできなかった
傍には親友のフォークシンガー、ピート・シーガー(エドワード・ノートン)がいて、彼は自分の曲をウディに聴かせていた
ピートは「何をしにここまで来たのか」とボブに問い、彼は「煌めきを掴むために来た」と答える
そして、ウディのために作った曲をそこで演奏する
ピートは彼の才能を確信し、ライブハウスに立たせる
ピートのマネージャーのアルバート(ダン・フォグラー)も彼の才能に気づき、それから本格的な音楽活動が始まっていった
物語は、小さなレコード会社からやがてコロンビア・レコードと仕事をするようになる様子が描かれ、当初は古い曲のカバーばかりをやらされていた
だが、実績を積んでいった彼は、やがて自分の曲も演奏できるようになり、フォークフェスの舞台に立つようになる
その頃になると、フォークシンガーとして大人気のジョーン・バエズ(モニカ・バルボロ)と共演するようになり、さらに共作をしたり、楽曲提供をしたりするようになっていく
また、プライベートでも教会のコンサートで知り合ったシルヴィ(エル・ファニング)と恋仲になるなど、充実した人生を歩んでいるように思えた
そんな彼の転機をなったのが、JFKの暗殺事件、キューバ危機などの社会情勢で、この世が変わっていくことを敏感に察知していく
歌う内容も徐々に変わっていき、さらに楽器の進化なども起こってくる
ツアーを共にしているボビー・ニューワース(ウィル・ハリソン)などの影響も受けていくボブは、やがてエレキギターを演奏するようになっていく
だが、フォークフェスの主催者サイドは彼にフォークソングを歌ってもらいたくて、ファンもそれを望んでいると譲らない
そして、1965年のニューポートのフォークフェスの日が訪れるのである
映画は、ボブ・ディランがエレキギターを握るまでという感じになっていて、スターアムに駆け上がりながらも、自分自身は「誰もが望んでいない自分でありたい」と葛藤していく様子を描いていく
タイトルの「A Complete Unknown」は、「完全なる無名」という意味で、何者であると規定されるところから最も遠い存在を意味している
ボブは、人の敷いたレールに乗ることを拒み、変わりゆく時代を敏感に感じ取りながら、自分の表現も変えていく
そうしたものが時代を築いたものと衝突することになり、恩人だったピートと対立していく事になってしまう
ラストのフェスでは演奏を辞めさせようとするピートが描かれ、彼の妻トシ(初音映莉子)がそれを止めるシーンが描かれる
ピートの中でも認めざるを得ないものがあって、それでもこの場で求められるものは違うと感じていた
そこでボブはピートの顔を立ててフォークソングを披露するのだが、それが今生の別れのような描かれ方になっていたのは印象的だったと感じた
いずれにせよ、ボブ・ディランの世代ではない私が観ても大丈夫な作品で、知っている人なら尚更当時の記憶が蘇るように思う
かなりの著名なフォークシンガーやアーティストが登場するので、フリークとかぶれに取っては至福の140分なのだろう
楽曲のほぼ全てを演者が歌唱していることもあって、ライブの臨場感とかリアリティも再現されているので、そう言った部分を楽しみにしている人にとっても満足のゆく作品だったのではないか、と感じた
ティモシーの歌がすごい👏
高校生の頃にボブ・ディランを聴きまくってた時期があったから、名曲が生まれる瞬間や語り草になってるニューポートフォークフェスティバルに立ち会ってる気分になり、ワクワクした
予告を観たときにボブ・ディラン本人の楽曲を使ってるのかと思っていたが、ティモシーが全て歌ってた!驚き!素晴らしかった
ファンなら良いかも⁉️
変人で女好き、でも芯は強い
ボブ・ディランの事は、存在は知っていても楽曲はほとんど知らず、どっかで耳にした事あるなという認識の曲がいくつかある程度。それでもティモシー・シャラメのなりきりぶりに感服。というかティモシーもそうだが、ジョーン・バエズ役のモニカ・バルバロやピート・シーガー役のエドワード・ノートンといった、実在人物を演じたキャスト全員が自分の肉声で歌っているというのも凄い。昔から好きだったが、やっぱりノートンはいい役者だ。
特筆したいのはディランの楽曲に歌詞字幕を付けている点。そんな事で?と思うかもしれないが、著作権事情で歌詞が出ない作品も少なくない中、これはホントに有難い。
デビュー直前の1961年から始まり、シンガーソングライターとして名を成すも、フォークだけの歌手として括られるのに辟易し、65年のニューポート・フォーク・フェスティバルでエレキギターをかき鳴らすまでを描く本作。実際のディランはなんとなく変わり者というイメージを抱いていたが、本作での彼もやっぱりそう。とっつきにくくて女にだらしない。でも早世したミュージシャンのようにドラッグや酒で身を滅ぼすことなく、寝る間も惜しんでひたすら作曲活動に励む。ジャンルに囚われたくないと、ナイーブそうに見えて芯が通っているディランを描くのに、『3時10分、決断のとき』、『フォードvsフェラーリ』などタフで渋い作品を撮らせたら天下一品のジェームズ・マンゴールド監督はハマっていた。前作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の酷さは何だったのか…
ディランをこよなく愛するファンが本作をどう評価するかは分からない。でもディランをよく知らない自分は楽しめたし、彼の曲はどれも身に染みた。
ボブ・ディランのことをもっと知りたくなる!
恥ずかしながら、ボブ・ディランは名前を知ってるノーベル賞受賞者ってぐらいしか把握してないままにティモシーの演技見たさに映画を観た。
結果、もっとボブ・ディランのことを知りたくなったし、彼が産み出した曲を聴きたくなった。
ティモシーは訛りがある喋り方で、役のために増量もして、スクリーンにいたのはティモシー・シャラメじゃなくて、ボブ・ディランだったと思う。本当に演技力がすごい。
「フォークの神様」と言われるボブ・ディラン、
有名になればなるほど、ボブが歌いたいものと聴き手がボブに求めるものの乖離が如実になってくる。
今で言うところの「解釈違い」なんだろうか。
「私の推してるボブはそんな歌歌いません!!!」
まるでそう言うかのような「ファン」の怒号、それでも歌うボブ。現代の推し活も考えさせられる場面があった。
エルが演じるシルヴィの役どころが切なくてしょうがなかった。有名な人の側にいるって尋常じゃないほど大変だよね…
伝記物として往年のスターの全てを描くのではなく、若かりし頃に特化した分、ストーリーがしっかりしてて、濃密な2時間20分だった!
音響の良い映画館でこそ観たい映画
またなジョーン
こないだサーチライトプレミア試写会に招待して頂きました🎬
本当に感謝です😁
ボブ・ディランを演じたティモシー・シャラメの演技は本物でしたね🤔
私はディランをよく知りませんが、それでも歌い方や仕草、喋り方などを似せているのはわかりましたよ。
歌唱シーンはシャラメが実際に歌っているということですが、違和感ないパフォーマンス😀
これはアカデミー主演男優賞、十分狙えます👍
ディランの恋人シルヴィにはエル・ファニング😀
エルの瞳はくりっとしてチャーミングですな🙂
破天荒な彼に振り回される感じがうまくでてました🤔
ディランを見出すピートにはエドワード・ノートン🙂
彼の演技は定評がありますが、今回は出番はそこそこながらも確かな存在感を発揮👍
「ファイト・クラブ」の頃から、私は彼が好きです😀
同業者でディランと複雑な関係になるジョーンにはモニカ・バルバロ🙂
彼女は流れる黒髪に、優しさと強さを併せ持つ瞳が印象的🤔
ディランとは一言では言い表せない関係になるのですが、この2人なら妙に納得してしまうような演技でした👍
本編上映後に嬉しいことにマンゴールド監督の登壇があったのですが…最後の撮影タイムにスマホカメラがおかしくなって、撮った写真が保存されないという事態に😰
しかし記憶には刻み込まれました💪
アカデミー賞8部門ノミネートされていますが
「監督賞」「主演男優賞」「助演女優賞」
あたりは堅いと、独断予想します🫡
シャラメのファンのみならず、伝記映画ファンもきっと楽しめるでしょう👍
一般公開は2月28日ですよ🖐️
全186件中、161~180件目を表示