劇場公開日 2025年2月28日

「ただ、風に吹かれただけ」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ただ、風に吹かれただけ

2025年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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猿田猿太郎
猿田猿太郎さんのコメント
2025年3月20日

gyuzoさん、教えを賜り恐縮です。私のレビューは映画を見終わった後の直感で書き殴っているため、読み違いや不理解が多いだろうなと常に恐れているのですが、こうして本物のファンの方から共感と補足を頂けて非常に胸を撫で下ろしている心境です。
 ここから、gyuzoさんへの返信のみならず、直感だけではかけなかったレビューの追記をさせて頂きます。
 いくらか自分でも調べましたが。クライマックスのフェスについて、ピート・シーガーがハンマーで機材を壊そうとしたのは本当かどうか。諸説あるそうですが、映画では実際にやろうとして、それを奥さんが差し止めているのが印象的でした。それはますます信憑性が疑わしいエピソードですが、ボブ・ディランの歌を止めてしまっては、若者の活動を阻害する親達や社会と同じ事では無いか。あなたも「こちら側」の筈でしょう? というふうに受け取ったのですが、いかがでしょうか。そしてブーイングしている客もまた、いざ歌の矛先が自分達に向けられてしまったから憤慨してしまったのではないでしょうか。
 あと、「Like a Rolling Stone」をYoutubeで聞き直しましたが、意味は判ずとも弾むような節回しがとても好きです。「転がる石のように」という詩的表現にはジンと心に来るところもあるのですが、やっぱりネィティブじゃないから歌声を聴いた瞬間ではそう感じ取るのは無理。それでも、「Rolling Stone」という言葉がバンド名にも雑誌名にもあるためか、自分も彼らアーティストのように、まさしく「Like a 何とか」とその気になって歌いたくなる。ギターを掻き鳴らして、みんなで大騒ぎできたら楽しいだろうな、と。そんな歌うことの楽しさ素晴らしさを聴いていて感じ入ります。
 あと、お教えを頂いたJoan Baezの‘plasir d'amour’も拝聴しました。聞いた瞬間、震え上がりました。瞬時に耳に馴染んでしまう素晴らしい歌声。ふと気になって調べてみたら、プレスリーの「好きにならずにいられない」の原曲だったのですね。馴染むわけです。そしてYoutubeでの映像、ご本人さんのお姿が実にお美しい。劇中で演じられたモニカ・バルバロさんも実に素晴らしかったのですが、歌なり役者なり極めた方々だからこそ、かくも美しくあるのだろうか。
 あらためてgyuzoさん、有り難うございました。

猿田猿太郎
gyuzoさんのコメント
2025年3月19日

猿太郎さん、貴方の感じられた通り、貴方の理解の通りだと、私も思いますよ。
私は1964年からDylanのファンですが、この映画で改めて当時のDylanが理解できるように思いました。
それにしても1965年の夏にラジオから聞こえてきた‘like a rolling stone’。ぶっ飛んだ気持ちになったことは忘れられないですね。New Portで初めて聞いた聴衆がどのように思ったのかな?と思いながらあの場面は観ていました。
演奏された曲は全て知っていますが、「こういう背景でこの曲が作られたのか」と映画を観てようやく理解できた気持ちになりました。大分思い違いをしていたようです。
いずれにしても私にとっては心が震える、そして改めて曲の良さに涙ぐむ気持ちになった映画でした。
ところでJoan Baezですが、この頃がbestだと思うのですが、その中でも私が最も好きな曲は‘plasir d'amour’という曲です。ぜひ、聞いてみてください。レコード音源を単純にYouTubeとしたものが良いようです。

gyuzo