「音楽は自由だ。俺は縛られない。」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN bionさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽は自由だ。俺は縛られない。
あそこをラストに持ってくるあたり、ジェームズ・マンゴールド監督の巧みな演出が光る。余韻をたっぷりと感じながらエンドロールでボブ・ディランの歌に浸る。
ほとばしる才能は、周りが放っておかない。音楽ビジネスに携わる者はもちろん、魅力的な女性たちも。天賦の才を与えられた者の特権として、気ままに女性を振り回すボブ。物語としては面白いが、振り回される側はたまったものではない。
シルヴィの気持ちが痛いほどわかる。
60年代アメリカ、フォークは反戦運動と結びつき、次第に純化され、セクト的な考え方に傾いていく。その考えは、音楽まで定義(Define)しようとする。
音楽は自由だ。俺は縛られない。
ボブ・ディランと同化したティモシーシャラメの叫びが聴こえる。
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トミーさんのコメント
2025年3月2日
コメントありがとうございます。
TV出演のシーンですね。コード問答から認め合った様にセッションに入っていく。ピートは頃合いを診てバンジョーで入っていく。武芸者同士の様で、最後に入っていく辺り今作でのノートンの役どころって感じですね。
talismanさんのコメント
2025年3月1日
フォークとかカントリーとかジャンル分けしたい時代だったのかなあ。音楽とか映画とか芝居とか枠組みの助けがあると理解しやすくなりますよね。でもそれはあくまで補助線だから枠組みやジャンルありきだと、新しいものは生まれなくなるのかなと思います
トミーさんのコメント
2025年3月1日
共感ありがとうございます。
明確な敵(老いや認知では無い)が皆に認知されていた時代、反戦歌にすら敵が居たってのが皮肉ですね。ディランにノーベル賞が与えられる時代、また揺り戻しが有るんでしょうか。