「なりきり具合は、見事。」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN 豊島区のはずれさんの映画レビュー(感想・評価)
なりきり具合は、見事。
ボブ・ディランのデビューから、エレキ化するまでのお話。
各俳優の実在する歌手のなりきり具合は、お見事ですね。見た目だけじゃなく、楽器の演奏や歌唱まで、本人を彷彿するレベル。エンディングクレジットに、楽器や歌唱のコーチという役目の人がいましたね。
今時の歌は、好きとか嫌いとか、愛しているとかいう歌ばかりなので、世の中に向けたメッセージのある歌詞のものは、特に日本ではあまり聞きません。歌で世の中に影響を与えるということになじみがない人達には、このストーリーは、分かりづらいのではないかと思います。歌の内容の本質は変わらないのに、演奏形態が変わっただけで騒ぎになるというのも、今となっては理解しづらいかなと。ある程度、当時のアメリカの音楽界のことを知ってから見た方がいいのかも知れません。
初日で、それほど大きくないスクリーンでも半分ぐらいの観客。そして見た感じ、ボブ・ディランの歌に影響されたと思われるシニア料金の人が過半数。音楽界の著名人で、ノーベル文学賞受賞者であっても、上記のような理由から、若い人には難しいように思いますね。
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