「なにかひとつくらい」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
なにかひとつくらい
シャラメが単なるモノマネでなくディランを演じる。
見た目がソックリって訳じゃないけど、こんな風にチャーミングだったんだろうなと思わせるし、歌声やギター演奏はかなり良い線行ってる。
物語の芯もしっかりしてて凡百の伝記映画とは違う。
自由に生きることと、他人が押しつけるイメージに逆らって生きること、音楽に対するのとは裏腹な女性の扱いの酷さ、それらすべてがシャラメのチャームでこんな風にディランは魅力的だったんだろうなと思わせられる。
ニューポート・フォーク・フェスティバルの演奏シーンは日本的な文脈におけるフォーク(米国の初期フォークは民謡(フォーク)収集の文脈が強く、かなり教条的だったらしい。それで衝突するシーンもかなり…)やロック、パンク的に反体制的なカッコよさがあった。
名匠ジェームズ・マンゴールドの腕も冴えわたる傑作。
なにかひとつくらいオスカーあげても良かったのでは…?
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