「1960年代のフォークと、その時代の空気が満喫できる音楽映画」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN ぴのこねこさんの映画レビュー(感想・評価)
1960年代のフォークと、その時代の空気が満喫できる音楽映画
ドラマは、ディランが敬愛するミュージシャン、ウディガスリーが入院したという新聞記事だけを頼りに、ヒッチハイクで病院を訪ねるところから始まります。
主人公のがむしゃらな行動力、自分の音楽を聴かせたいという熱量が伝わって、秀逸なオープニングです。
その後、ピートシーガーの後押しもあってその存在が知られ、売れていきます。ピートは、自分勝手なミュージシャンが多い中、唯一とも言える人格者で、見ていてほっとする存在です。
この辺りの描写は、無駄な説明がなく、ほぼ音楽とその歌詞で、流れがわかるようになっています。
自分のやりたい音楽と、皆の求める音楽とが乖離していくとき、どう行動するか?
ここが最大のクライマックスであり、それを乗り越えたところで現在の彼が存在している。
そう納得させるエンディングでした。
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