「なんと懐かしい雰囲気か」ヴァージン・パンク Clockwork Girl 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 なんと懐かしい雰囲気か

2025年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

昔のOVAのような内容だった。令和の時代にこんな新作が作られるとは、嬉しい驚きだ。
本作は近未来を舞台にしたバイオレンスアクションだ。ソーマディアというサイボーグ技術が発達して、脳以外を義体化した犯罪者が跋扈する世界。生身の肉体よりもはるかに運動能力が高いソーマディア犯罪に対抗すべく、バウンティハンター制度が導入されている。
生身の身体でバウンティハンターをやっていた主人公は、変態のMr.エレガンスにはめられ、少女の義体に改造させられてしまい、復讐を誓うという筋書だ。35分と短く、まだ序章なので、完結はしていない。物語のセットアップ段階であり、序破急で言うと「序」の部分となる。
ティザー映像の最初のショットでもあった、病院服を着た主人公がよろよろと歩くショット。あの体重移動と服のしわが身体の動きに沿って動くあのリアルさ。あんなリアル作画を現代で見られるとは。激しいアクションで人体破壊の描写が多いが、それらが本当に痛々しく感じられるのは、人体の動きの描写が徹底してリアルだから。動きで命を宿して、その命が破壊される様を描く。これがアニメだ。
梅津監督のらしさが詰まった内容も懐かしくて、続編が待ち遠しい。

杉本穂高