ヴァージン・パンク Clockwork Girlのレビュー・感想・評価
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なんと懐かしい雰囲気か
昔のOVAのような内容だった。令和の時代にこんな新作が作られるとは、嬉しい驚きだ。
本作は近未来を舞台にしたバイオレンスアクションだ。ソーマディアというサイボーグ技術が発達して、脳以外を義体化した犯罪者が跋扈する世界。生身の肉体よりもはるかに運動能力が高いソーマディア犯罪に対抗すべく、バウンティハンター制度が導入されている。
生身の身体でバウンティハンターをやっていた主人公は、変態のMr.エレガンスにはめられ、少女の義体に改造させられてしまい、復讐を誓うという筋書だ。35分と短く、まだ序章なので、完結はしていない。物語のセットアップ段階であり、序破急で言うと「序」の部分となる。
ティザー映像の最初のショットでもあった、病院服を着た主人公がよろよろと歩くショット。あの体重移動と服のしわが身体の動きに沿って動くあのリアルさ。あんなリアル作画を現代で見られるとは。激しいアクションで人体破壊の描写が多いが、それらが本当に痛々しく感じられるのは、人体の動きの描写が徹底してリアルだから。動きで命を宿して、その命が破壊される様を描く。これがアニメだ。
梅津監督のらしさが詰まった内容も懐かしくて、続編が待ち遠しい。
上映時間の短さと未完結ストーリーであることに納得できる方向け
上映時間が短い(約35分)ですので、作品の出来ばえや良さを全く無視して、時間あたりでの鑑賞料金だけを考えると、一般的な映画作品より割高にはなってしまうと思います。
また、ストーリーも完結していないです(多分)。ここで終わってしまうの? な感じでした。続きがいつ見られるのか、そもそも続きが作られるのかも、このレビュー記入時点では明らかではありません。
鑑賞前に、作品のウェブページを確認して、そこから得られる情報で十分納得出来た方に見てほしいです(梅津監督の作品を既に知っている方でもなければ、見る前なのにどうやって納得するのか、というツッコミがあるのは重々承知していますが)。
見ようか迷っているけれどちょっと高いかな、でもどうしよう? 気になる... くらいの迷いが残る方には、おすすめしないでおきます。まずは、気になる他の作品を全部鑑賞して、それでも本作品をやはり見たいと思う方々向けです。私個人は鑑賞して良かったと感じる作品でしたが、合わない人には合わないと思うので、どうか無理せずに。
それから、バイオレンス的な話はどちらかというと苦手という方も、鑑賞するか良く考えてからがいいかもしれません。
それにしても続きが気になりますが、期待しすぎずに辛抱強く待つことにします。
当初★4にしていましたが、申し訳ないですが★3に変更します。
見る人をかなり選ぶ点はやはり無視できなく、また、この続きが作られず終わってしまった場合の不完全燃焼感は少なくなく、個人的基準ながら★4はつけられないと再考し、★を1つ減らしました。
変〇詰め合わせなOVAテイスト
古(いにしえ)のOVAテイスト、かつ梅津泰臣さんらしい悪趣味満載だが、作画は令和でたしかにシャフト製という怪作だった。
外見14歳、ボディライン20歳前後、脳みそ中身は24歳の美少女、乳首あり全裸だらけ。
犯罪者の首(脳)を生死不問で納品する賞金稼ぎ(バウンティハンター)のやることは、基本首狩りな残虐シーンだらけ。
変態詰め合わせ。
劇場以外でコレ見せられるん?
配信ならむしろボカシ必要じゃない?
いや、海外のアダルトOK系配信サイトでなら大歓迎か。
すごいクオリティ
ヴァージンパンク
30分1,700円はさすがにボッタクリ
変態性丸出しの設定で押し切る清々しさ! 梅津節全開の美少女サイバーパンクアクション!
やっべ、くっそ面白かったぜ!!!
まさかの35分映画だったけど!
(なのに1,700円の超強気価格)
てか、梅津泰臣って、わが性春の『A KITE』(98)や『MEZZO FORTE』(00)のころから、芸風も、やりたいことも、キャラデザも、びっくりするくらい何も変わってないんだな(笑)。
あるいは、『ガリレイドンナ』(13)や『セシル』(14)で普通のアニメーション監督の道を目指したけどうまくいかず、やはり俺にはこれしかないと覚悟を決めたのか。
より正確にいうと、『ヴァージン・パンク』は上記2作のアダルトアニメの、ほぼ「リメイク」のようなものである。パンフ(4000円!!)が売り切れていたので監督サイドの認識がどうかは知らないが、金と名声と自由を手に入れたアニメーターが、シャフトと組むことに成功して、発表形態やクオリティにおいて心残りの大きかった初期2作を、シャフトの高い技術力と2025年現在の作画水準で「納得のいくまで今風に作り直してみせた」というのが、本作の位置づけだろう。
きちんと少女のバストトップも出てくるし、義体や都市のサイバーパンク的な描写、アクロバティックなガンバトル、血みどろのゴア描写など、90年代OVAカルチャーの臭気がぷんぷんするくらい充満している。
なるほど、これが梅津の目指していた美少女アクションの完成形だったんだな、とこちらもなんだか満ち足りた気分に(笑)。
あれから20年経って、梅津特有のキャラデザが若干形骸化していて、どこか動かしづらそうに能面化している気配があるのは気にならないでもないが、少なくとも現代の3D技術を導入したアクション動画は見ごたえ十分で、何よりナラティヴの巧みさが光った。
導入の説明的描写やSF的設定の解説、ヒロインの置かれた立場、戦うモチベーションなど、すべてにおいて流れるようにスムーズに語られていて、自然と頭に入って来る。
近年のアクションアニメではついぞ見ないくらい、親切にかみ砕いたわかりやすい第一話に仕上がっていて、本当に感心した。
あとはやっぱり、羽舞(ウブ)ちゃんがかわいいねえ。
うーむ、こたえられん。
義体設定の中核にあるのが、『攻殻機動隊』のような身体と精神のサイバーパンク的な問題提起などでは毛ほどもなくて、純粋にピグマリオン・コンプレックスと理想のロ●ババア生成という性的な嗜好の充足ただそれだけなのだから、猛烈にタチが悪い(誉め言葉)。
中身は24歳で、外見は永遠の14歳!!
義体でも裸を見られたら恥じらう少女だけど、
大人の悪党をバッタバッタとなぎ倒して鏖殺する、
凄腕のバウンティ・ハンター。くうぅぅぅ!
いかしてる。これぞ美少女アニメ!
しかも命令は絶対で、逆らえば一瞬で電源オフ。
(孫悟空に対する三蔵法師のように支配している)
少女はオヤジのなぐさみものになるしかないが、
中身はもうお姉さんなのでギリ許される。
なんてすばらしい設定であることか。
たとえば、大人が子供の義体を使役して犯罪者の制圧任務に当たらせる話といえば、相田裕の『GUNSLINGER GIRL(ガンスリンガー・ガール)』(02~12)を想起する向きは多いだろう。あれだって、美少女に生死をかけて戦わせたい、美少女に薄幸な運命を背負わせたい、美少女に無条件に愛してほしい、というどす黒いオッサンの性的欲求の産物であることには間違いないが、少なくとも「シリアスな物語とちゃんと泣かせる鍵ゲー的演出」でそれを糊塗しようとする「良識」くらいは持ち合わせていた。
しかし、Mr.エレガンス(=梅津泰臣)の場合は、自分の趣味の悪さ(=変態性)に対して徹頭徹尾、肯定的であり、一切の迷いがない。実にすがすがしい。
おそらく物語の最後には羽舞ちゃんに壮絶なお仕置きを食らっちゃうんだろうけど、それすら本望だ、と言い切れそうなくらいの突き抜けた歪んだ少女愛がいとおしい。
さらには、監督の危ない「嗜好」を隠そうともせずに、むしろ積極的に作品の「売り」にしていくシャフトの姿勢は、最近の息苦しいコンプラ重視の流れのなかでは、一服の清涼剤ともいえる。ぜひ志を曲げることなく、最高に気持ち悪くて最高に胸にぶっ刺さるエロス&バイオレンスの第2作をものしていただきたい。
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●朝に『メイドラゴン』を観て、昼に『ヴァージン・パンク』を観て、続けざまにご主人様がヒロインにお仕着せのメイド服を用意して、メイドの恰好を強要しているアニメを観たことになる。
●久しぶりに若本規夫が若本節全開で楽しそうに仕事しているのを観た(このあいだ『GUILTY GEAR』で聴いたときは声の調子がえらく悪い気がしていたが、今回は違和感なかった)。なんかこの悪役、刺青とか舌芸とかすげえ既視感あるけどなんだっけ? 『タイバニ』?『ノー・ガンズ・ライフ』?『リコリス』?うーん、わからん。
●作中でもっともすぐれていた作画が、Mr.エレガンスの勝利の舞だったことは内緒。自分の分身だからか、梅津のこだわりのつまったダンスだったなあ(笑)。一人作画かも。
●音楽でベートーヴェンの英雄の第三楽章使ってた? きき間違いか? 別の映画か? なんか朝から5本も観たので脳内ですでにごっちゃになり始めている(笑)
●『ウィザード・バリスターズ 弁魔士セシル』を撮ったあと、2015年に監督自ら企画をシャフトに持ち込んでから、苦節10年。10年で35分って……あんた、ユーリ・ノルシュテインか??
●僕が観に行った日曜の昼の回は、なんと若者率8割。
僕みたいなオッサンは1割程度しかいませんでした。
しかもパンフは完売。広い劇場で半分くらい入ってるし。
これって若者の間でも梅津の名が知れ渡ってるってこと?
それとも、義理堅いシャフ信が足を運んでくれてるのか?
てっきり、90年代18禁アニメ大好きおじさんたちの集うキモい同窓会になるのかとばかり思っていたので、客層のキャピキャピ感には結構びっくりした。
次回作も楽しみです
シャフト制作のオリジナルアニメ。これは応援したいです。
理不尽に義体化された少女の復讐劇、って感じのストーリー。ですが、見どころは、そこでなく、全編に貫くアクション&バイオレンス。
問答無用のバイオレンスは好きなのです。気合い入るシーンでの作画もすごく良い。けど、全体的には恐る恐る、というかコントロールされた感じ。
まあ、あくまでも私の趣味の領分だが、、、
賞金稼ぎが対象者の馘を持っていく、という設定は素晴らしいのだが、ブーメランのようなもので落とすのではなく、ちゃんと手に感触をもって切り落として欲しかった。これじゃ、命の重さが感じられないな、と。
同様に物が壊れるなら、ちゃんとその中身を出して見せるのがリアリティ。高架鉄道での闘いのシーンなぞ、ミサイル撃ち込まれりゃ、中の人は飛び出すわけだし、ヘリもどきが撃ち落とされたら、部品が飛び散るのでは?
とか、細かい批判は良いとして、こういった作品がアニプレ&シャフトで制作されている点は、応援したい!ネトフリじゃなくても、こういうコア向け作品を観ていきたいです。
アニメイベントで発表されPVを見た時からめちゃくちゃ期待してた作品...
アニメイベントで発表されPVを見た時からめちゃくちゃ期待してた作品。当時はどのような媒体での公開か発表されてなかったのでいざ蓋を開けたら劇場公開、しかも30分と短い。料金も統一でちょっっと高いかな…と感じる値段。正直迷ったけど評判上々なのでいざ鑑賞。結論:凄かった。正に梅津作画爆発って感じで終始美麗でバキバキヌルヌルバトル描写に圧倒され30分以上の満足感だった。音楽もかっこいいしキャストも良かった。好きな人はめちゃくちゃ好きな作品。映画にしては短いとの意見もあったがあの美麗映像を大画面で浴びる…と考えればそこまで不満は無かった。…がいかんせん公開劇場が少なすぎ&ミニシアターのみのため確かに画面迫力的には満足度は低いかも。もっと大きい劇場のでかいスクリーンで浴びたかった。
内容的にもPVが1本のみと前情報がほとんど無かったが本編を観て納得だった。キャラと設定の使い方が上手い。あと敵がほんとにクズでゲスなのも良かった。特にMr.エレガンスが思った以上にヤバいやつで逆に笑えた。
これからどのようにメディア展開していくか分からないが是非とも続編・完結まで作り上げて欲しいし、もしまた劇場公開があれば今度はもっと大きい劇場&数を増やして公開して欲しい。
短いけどクオリティ高い
短いね
The・第1話なので映画としては採点しようもないが…
美少女サイボーグ!流血!銃弾!ミサイル!チャクラム!若本則夫!と100%趣味で作られているが、それがここまでハイクオリティなら文句のつけようもない。暴走列車上からごくごく自然に(!?)教会にバトルフィールドが移行するのに笑ってしまう…そういう絵が撮りたいだけの流れすぎる!エログロ変態(小西克幸の怪演ぶりよ…)満載で、主人公の境遇などかなり陰惨なストーリーなのに、さらっと観れるテンポの良さとアクションの快感。
賞金首は、胴とお別れ
Massive Core
梅津監督×高橋さん脚本×シャフト制作というとんでもなくジャンキーな味がするであろうアニメ映画、もっと大きい規模でやっても良いのになとは思いつつも、この希少性に感謝して初日に鑑賞。
特典はクリアファイルでした。
凄まじい35分でした。
あれやこれやを全部詰め込んだかのようなカオスっぷりはもう恐ろしいくらいの濃厚さを秘めており、最初から最後まであっという間に駆け抜けて行きました。
初っ端から主人公・羽舞いる施設に乗り込んでくるヤベー奴らがガンガン銃をぶっ放していき、かと思いきや施設の園長も腕が銃にバチバチ変化しての撃ち合いになっていくので超楽しかったです。
ドバドバ血も流れていきますし、グッチャグチャになったりとで変態の領域に突っ込んでいました。
そこから成長した羽舞がバウンティハンターになって懸賞首を狩りまくっている未来が描かれ、キャリングケースを盾に使ったり、移動手段にしたり武器庫にしてみたりと、めちゃくちゃ好きな使い方をしてくれていましたし、トゲトゲの輪っかを用いての首を掻っ切るところとかスタイリッシュでカッコよかったです。
しかも主要キャラなんでは?と思っていたマギーちゃんが一瞬の隙を突かれて脳ごとぶち抜かれて退場というのは予想外ですが、この辺の容赦の無さがケレン味たっぷりに描かれていて良かったです。
そこからロリコン疑惑のあるMr.エレガンスが乗り込んできてからの展開は更にグッと面白くなり、ここからがヴァージン・パンクですと言わんばかりの引き締まった感じが最高でした。
過去→成長→現代だけど過去という羽舞の体が入り乱れる展開は梅津監督らしいやり方だなとワクワクが止まりませんでしたし、小西さんが魂吹き込みまくったMr.エレガンスがイキイキとした変態イケオジになっていて面白かったです。
今作のラスボスは若本さんがこれまた魂を吹き込んで、子供と老人を集中砲火するヤベー指名手配犯がそこには存在していてギラッギラしていました。
ここからの戦闘は屋外から列車の上、教会に突撃とバリエーション豊かで更にワクワクノンストップでした。
ゴリ押ししながらもしっかりと練った作戦、体は子供でも頭は大人、全てをフル活用しての戦闘シーンにワクワクしない人はいないはずです。
オチの付け方もめちゃカッコいいですし、これが観たかったんだぜ!という心の中の少年が叫び散らかしていました。
アニメーションはさすがシャフトと言わんばかりのハイクオリティでヌルヌルぐわんぐわん動き回っていました。
怒涛の勢いでの銃撃戦や近接格闘、暴れ回るカメラワーク、派手な爆発ととんでもなく濃厚なところに、繊細な表情の変化だったりが挟まってくるので見応えありまくりでした。
キャラデザのクセは好きなクセですし、この作品の変態性には間違いなくベストマッチしていたと思います。
思わずパンフレットとTシャツを買いに走ったくらいには好きなキャラデザです。
尺的な短さの問題は仕方ないんですがあって、今作のみだと序章で終わってしまっているので惜しいなーとは思いました。
ただ確実に続きの気になる展開でしたし、間違いなく続編は観に行くと思います。
ここからTVシリーズに発展していっても良いだろうなーと思いました。
首を長ーくして待ちます。
鑑賞日 6/27
鑑賞時間 14:05〜14:50
男は2、女は50
梅津さんの監督作で見てるのは『ガリレイドンナ』と『弁魔士セシル』のみ。
どちらもキャラや世界観はいいのに中盤失速した記憶が…
それでもOPやEDだけの参加でも気付くときがあるくらい独特のものがあるし、期待をもって鑑賞。
Mr.エレガンスとの因縁を端的に描く導入から、あれ、キービジュアルより育ってない?
…と思ったら、そういうことか!笑
まさかのマギーちゃんの早期退場もそこそこに、ポスターの「狩る」と「飼われる」を理解する。
羽舞ちゃん、意外と演技とかもするのね。
話としては本当にサワリの部分だし、画的な見せ場はあっても話としての盛り上がりはまだ無い。
乃愛やヴェスパは顔見せ程度でした。
PV冒頭の入院着でふらつきながら歩くカットをはじめ、地味ながら重心移動の描写が秀逸。
そういったリアルさとアニメ的な嘘のバランスも見事。
アクションは派手なエフェクトやカメラワークよりも、しっかり動きで見せてくれて気持ちがいい。
画面の色彩なども劇場で観る価値を感じるが、音響の迫力だけは正直物足りなかったかな。
デザインから演出から主題歌まで、随所にちょっとした“旧さ”を感じるが、個人的にはそこがむしろ好き。
ただでさえ短いのにルイスの戦闘に尺を取りすぎだし、せめて50分は欲しかったのが本音。
(クオリティは別として)数年がかりでTVシリーズを見ることにならないよう早めの続報を待ちたい。
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