「己を蝕む敵」敵 なかじwithみゆさんの映画レビュー(感想・評価)
己を蝕む敵
敵は己。
敵に亡霊が集まってくる。
モノクロの画面に長塚京三さんのたるみ皺がボヤける。
フランス文学教授の隠居生活は、質素だが手料理する食生活。
焼鳥串も、買ってきたものではなく、レバーの下処理してから、目の前で焼く。
インテリで几帳面。
妻に先立たれ、己にやって来る死も覚悟はしている。
それでも食欲と色欲はある。
瀧内公美さんと黒沢あすかさんが清らかに美しく、
(以前の作品を考えたら、そんな訳はないだろう)と
勘ぐったら、やっぱり毒が滲み出る。
高齢男性の独居も、なかなか大変なんですよね。
ありきたりなインテリもプライドくすぐるし。
厄介な敵。
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