「女性たちが上品」敵 Kさんの映画レビュー(感想・評価)
女性たちが上品
とてもよかった。全体的に品がよい。主人公のあられもない素の部分も教養人らしさがあり、登場する女性たちの立ち居振る舞いは艶めかしくも上品で、時々クスリと笑わせるウィットの具合も絶妙だ。原作は未読だが、筒井康隆の原作がそうなのか。筒井ファンなのか映画館の入りもとても良かった。
物語は自意識版「ファーザー」(アンソニー・ホプキンズ主演の)とでも言えそうな展開であった。最後の春のシーンを観て、結局、境界はこのあたりだったろうと自分の中で納得したところはあったが、口にすると切ないので、そこはあえて書き立てることなく曖昧模糊なままそっとしておきたいという気持ちになった。
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