「「好き・嫌い」で言えば、こちらの方が「好き」」スピーク・ノー・イーブル 異常な家族 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
「好き・嫌い」で言えば、こちらの方が「好き」
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オリジナルの「胸騒ぎ」では、犯罪者側の杜撰さや、被害者側の優柔不断さにイライラさせられたが、このリメイク版では、そうしたところがほとんど気にならなかった。
特に、被害者家族が、「旅行に行くことを知人等に言い残していたら、すぐに犯行がバレるのではないか?」とか、「逃げようと思えばいくらでも逃げられるのに、なかなか逃げないのはどうしてか?」といった疑問が、それなりに解消されているのは、リメイクならではの改善点だろう。
オリジナル版から最も改変されているのは、ラストの展開だが、ここでも、「石」しか持っていない相手に無抵抗のまま殺されていく夫婦の姿に違和感を覚えたものだが、リメイク版では、犯罪者達(人数も増えている!)はしっかり銃で武装しているし、被害者側も、身の回りの物を駆使して反撃を試みていて、ちゃんと納得ができるようになっている。
被害者の夫のヘタレぶりは相変わらずで、妻の方が戦闘能力が高いのは御愛嬌だが、それでも、彼が「男気」を発揮して、家族を救うために屋根から飛び降りるという見せ場が用意されているところも良かった。
しっかりと勧善懲悪のケリをつける結末は、いかにもハリウッド映画らしいと思わざるを得ないが、バッドエンドで極めて後味の悪かったオリジナル版よりも、スッキリとした爽快感が味わえる。
確かに、「あぁ面白かった」という感想しか残らない、単純で能天気な映画になってしまったという批判もあるだろうが、「好き・嫌い」で言えば、こちらのラストの方が断然「好き」である。
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