「2からより振り切れている」テリファー 聖夜の悪夢 くめいさんの映画レビュー(感想・評価)
2からより振り切れている
テリファーは1が『まぁまぁいいじゃん』。2が『あれ? 雲行き怪しいな…』くらいの感想。0は未視聴。
クリスマスシーズンということもあって1年遅れで視聴。個別にレビューを書く気もないので少し冗長になるが、3までの総括という感じで書かせてもらう。0は未視聴だけど(二度目)。
1は異常性とグロさが強調されていて良かったが、2はグロシーンが派手さ優先、といった作り物感が強かったし、アート・ザ・クラウン(以下『アート』)が完全にオカルトな存在になったのが個人的には受け入れがたかった。
1の時点では撃たれて死んだはずなのに消えた、くらいの異常な人間の線も残るレベルだったと思うが(『ハロウィン』みたいな)、それが完全に人外になると対応できないというか、何でもありになってしまう。
3はグロシーンの路線自体は2と同じだったが(お楽しみチェーンソーもあるよ!)、より嫌悪感のある方法もあってバリエーションが面白かった。
問題のオカルト路線だけれど、ラストで何故か主人公にヒーリングファクターが覚醒してまるでアメコミヴィランVSヒーローのような構図に見えたのは面白かった。そっちも何でもありになるんかい! 魔界(?)に落ちたガブリエルはどうなるのか、アートの同類になって出てくるのか、はたまた主人公が助けに行くのか……そもそもヒーリングファクターなんて得てしまったら捕まった時に延々拷問される展開もありそう。
2のオチで中途半端に見せられたから微妙に思えただけで、この路線もこう振り切ると面白くなる余地があるのかと感心した。『サイコ・ゴアマン』とコラボしよう。
最大の不満は序盤、アートが叫んだ『ように見えた』こと。実際に叫んだかは微妙…というか叫んだらいけないだろと思う。
私は1の終盤で、アートが足のつま先を主人公に刺された時にのけぞりつつ声一つ上げなかったところで『あ、こいつ人間じゃないんだ』と納得した。我ながら変なポイントだと思うが、あそこが私にとって『異常な人間』か『人間じゃない』かのボーダーだったのだ。
ブギーマンもジェイソンもゴーストフェイスも、白い仮面で表情を隠すことで『人間じゃない』ことを表現する。アートは白塗りだが表情豊かで、しかしどんなシチュエーションでも声を出さないことでコミュニケーション(共有)を否定して人間と一線を引いている、のだと思う。
4以降でこの解釈が覆るのかもしれない……が、いずれにせよ観るのだろうと思う。
