「絶頂期と呼ぶに相応しいライブ」オアシス ライヴ・アット・ネブワース 1996.8.10 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0絶頂期と呼ぶに相応しいライブ

2024年10月29日
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鑑賞方法:映画館

轟音シアターで鑑賞。
3年前に観た映画「オアシス ネブワース1996」は、ライブの演奏だけでなく、ライブに行ったファンたちのインタビューもあるドキュメンタリーだった。その後、ネブワースのライブ音源がアルバム化され、音自体はこの3年の間にちょいちょい聴いていた。だから今回の映画を観るのは、ちょっとした答え合わせに近い感覚。
ホーンやストリングスの人数が意外と多かったり、アンコールでリアムが客席の直前を歩く姿にちょっと驚いたり、ジョン・スクワイアが演奏する姿が思った以上にカッコよかったり、音源だけではわからないことが楽しい。
音源は聴いていたし、前のドキュメンタリー映画も観ていたから、個人的に大して盛り上がらないかもと心配していたが、そんなことはなかった。自然とリズムをとってしまうし、心の中では両手を上げたり拍手するし、声は出さないが一緒に歌っていた。前の映画を観たときには、「万が一再結成したとしても、この当時の輝きはもう出せない」とレビューを書いた。再結成なんて無理だよと諦めていたから。でも今年、再結成することが発表され、ライブを行うことが決まった。もしかしたら来日もするかもしれない。そう思いながらこのライブを観ると、前とは少し違って見えた。もちろん当時のようにリアムが歌えるかどうかわからない(それくらい本作の彼の歌声はキレていた)。でも、諦めではなく期待を込めて観ることができた。またノエルとリアムのかけ合いが聴きたいと。この時よりも声が出ていなくても気にならない。今はそう思える。
ホーンやストリングスを絡めた楽曲(Round Are WayやWhatever)が個人的には心に刺さった。他にもWonderwallやLive Foreverといった、ノエルのライブ(不思議とリアムのソロライブは観てこなかった)で聴いてきた曲たちが、リアムのボーカルで聴けることも嬉しかった。あぁ、そうだよな。ノエルが書いた曲が大好きでノエルよりのファンというスタンスでいたけど、あの曲たちをリアムに歌ってほしいんだよ。そんな自分の思いを再確認する映像だった。
ライブ映像だけだから、映画と呼んでいいのかは微妙な作品だと思う。でも、思い入れがあるからこれでいい。幸せな時間だった。

kenshuchu