「維持と打破」STEP OUT にーにーのニライカナイ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
維持と打破
ポスターの安っぽさが不安だったが、画作りよりむしろ脚本の粗さが目についた。
スクールに入るまでは恐ろしくスムーズだが、アッサリお金を出すのであまり貧困を感じない。
いつも同じ服だったりで表現はされてるけど、朱音が苦労してる描写も薄いからなぁ。
リサだけ服の露出が多いせいで、ダンスに憧れたというよりエロ目線に見えるのも難点。
その後も友人と色恋方面で会話してるし。
この友人2人とヤンキー組は必要性を感じなかったし、絡まれた際に踊が一瞬覚醒した理由も謎。
身長のバランスなんて理由だけで、プロ志向のリサが下手クソな踊をパートナーに選ぶのも有り得ん。
連絡取れないからってオーディション当日に友人を探して、結果すっぽかすのも。
父親が亡くなった話からの親子喧嘩も、なんだが強引。
Soulくんはまだしも、リサちゃん役やスクール生、友人などの演技力もイマイチ。
踊れることや沖縄出身ということを優先した弊害か。
何故か主演扱いの仲間由紀恵が丸くなってたのは母親役としてはいいが、彼女である理由までは見出せず。
踊の成長と覚悟の話として大筋は悪くないのだけど、最後の決断も取って付けた感が否めない。
あの時点だと、住居や転校の手続きも済んでるハズだし。
ダンスを始めた理由も語られず、数カ月でオーディション合格もどうなんだろ。
確かに技術的に難しいことはやってないが、そのぶん基礎力を見抜かれるハズで。
内容もヒップホップを軸にロックや、一瞬ブレイキンも入れていて、期間に対し範囲が広いような…
御当地作品にありがちな地元要素も、シーサーくらい話に絡めばいいが、沖縄舞踊は半端。
最後の象とか非現実的すぎて絶対いらんでしょ。
色々やるより、ちゃんと家族を深掘りしてほしかった。
エンドロールの雰囲気はとてもよかっただけに、ちと残念。