「壮年となってなお」blur:To The End ブラー:トゥー・ジ・エンド 辛いクリームさんの映画レビュー(感想・評価)
壮年となってなお
心地好い距離感を持って集える仲間って良いね。
心地好い?いや、そうじゃないんだろうな。長い年月の間に多くの確執があり、互いに癒えることのない傷も負い、許し難い思いも沢山持っているはず。人間同士ってそういうものだから、再集結には様々な葛藤があっただろう。
それでもなお集い、あれ程の素晴らしい作品、素晴らしい時間を創り上げることが出来るのは、彼らがみな真摯に生き、確かな結果を積み上げてきたからこそ。彼らと同じ世代として、そうした仲間が居ることを心底羨ましく思う。圧巻のパフォーマンスのなか「老いぼれがバカみたいだ。君らが乗せるからだぞ!」と若い大観衆に言い放つデーモンの姿に涙が溢れた。
明確なストーリー性と演出意図を持って作られた本作は、発掘映像や関係者へのインタビューのスクラップ作品とは完成度が違う。壮年、そして老年となってゆく時期を迎えどう生きていくべきか、そのヒントをもらったような気がする。
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