劇場公開日 2025年1月31日

「50代の円熟味と互いを尊重し合った友情に浸る」blur:To The End ブラー:トゥー・ジ・エンド 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.050代の円熟味と互いを尊重し合った友情に浸る

2025年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

昔からの熱心なファンの方がどうご覧になるのかは正直わからないが、私のようにブラーのアルバムを何枚か持ちつつも、彼らがどのような人たちなのか深く知らずごく曖昧に聴き続けてきた人間にとって、本作は各々の個性や現在の胸中をうかがいしれる非常に充実したひと時だった。音楽性の面で衝突することもあった若かりし頃と違い、本作で活写されるのは8年ぶりのアルバム制作、そしてウェンブリー・スタジアム公演へ向かう50代の彼らの姿なのだから、人としての円熟味も相まって、安心して見つめることができる。現時点でたどり着いた彼らなりの関係性とは何か。なるほどそれは、お互いをよく知るからこそ尊重し合う。一定の距離を持ち過度に踏み込みすぎない。その上で発揮される30年越しの友情がここには刻まれており、それでいて当然ながら音楽面に関してはプロとして妥協しない。ウェンブリーでの最高のライブ映画と併せて、じっくり浸りたい一作だ。

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牛津厚信