「距離と時間の見事なコントラスト」この夏の星を見る HKさんの映画レビュー(感想・評価)
距離と時間の見事なコントラスト
コロナ禍の悲劇のひとつは、
体も心も含めて様々な”距離”を作られてしまったことだが、
どんなに辛い困難な状況にあっても、
若者たちは、自ら世界に発信し、つながって、
力強く、逞しく長いハードルを飛び越えて成長していく。
そんなコロナ禍の距離感と対峙する示唆的、象徴的な存在としての
宇宙や星々に想いを馳せる人々の姿がほんとうに感動的。
海や山などの自然の背景を存分に生かした広視野の画像は
若者たちの心象、感情を浮き立たせているし、
随所に高低差を出した構図も、心の距離感を強調していてすばらしい表現。
電車の中で主人公が悲しい告知を受けるときの画面構成や、
コンテスト時のスピード感のある画面展開も見事。
また前半のエピソードを回収するラストの展開には泣かされる。
恋愛要素もある青春映画でありつつ、
ストーリー、映像表現、すべてにおいて
数ミリから数光年まで、距離、時間のコントラストを
詩情豊かに描いてみせてくれた傑作映画
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