「個々、天文に触れている部分はあるが、コロナ事情を描いた作品で後世でも見られる映画」この夏の星を見る yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
個々、天文に触れている部分はあるが、コロナ事情を描いた作品で後世でも見られる映画
今年154本目(合計1,695本目/今月(2025年7月度)3本目)。
一部、天文的なお話があり、そこがちょっと不正確かな…と思った部分はありましたが、映画の論点はそこでは当然なく、コロナ事情という日本ではおよそ体験したことがない(SARSのときだって、あのようなことにはならなかった)その3~4年間に起きた、部活の制限といった特殊な活動の制限を描く映画です。
思い返せば、「今となって考えれば」過剰な規制もあったようには思えるところ、日本はこういったことを経験したことがおよそ存在せず(第二次世界大戦は別として、その後の公衆衛生も発達したので、天然痘撲滅等も早かった)、そこに突然やってきたコロナ事情(特に最初は「武漢で何か病気が流行っているらしい」というような断片的な情報ばかりとびかっていた)の中で、実質的に中高の生活「そのもの」を失ったといえる当事者を描いたもので、そのことは程度の差はあっても、実体的にテレワークを余儀なくされた社会人や、たまの散歩やそれに付随する囲碁将棋を楽しみにしていた高齢者の方など、何らかの形で誰しもが「損失を被った」ところは同じです。一方で、そこに趣旨を限ったために、コロナ事情の「対応のまずさ」(後からなら何とでも批判できるが、2020年、2021年時点で何が正しいかすらわからない状態で誰かを責めるのはフェアとは言えない。もちろん、WHO(当時はテドロス氏))等も同様)についてはほぼ触れられておらず、そういった点は良かったのかな、と思います(それはそれで、ドキュメンタリー的な映画として、第三者的な目線で、その当時の対応が妥当だったかをドキュメンタリー的に描くことが望ましいのだと思います)。
やや天体関係について気になるところはありましたが、当時の中高生はこのコロナ事情で実質中高の生活「そのもの」を奪われたも同然で、それにささげる意味でもよい映画だし、日本が今後また同じような感染症や似たような事情にあったとき、「こういうことが過去にあった」ということを残す意味において意義がある映画と考えられますので、特段減点要素とはせず、フルスコアにしています。
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