「マスク越しに星を見る」この夏の星を見る todolistさんの映画レビュー(感想・評価)
マスク越しに星を見る
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観た後そのことしか考えられず、日常生活に支障を来たす映画。数年に一度あるけど、また出会ってしまった。
「スターキャッチ」
星を望遠鏡で捕まえるということ。
それが周りの大事な人とのコミュニケーションに重ねられている、と思う。(印象的に、上にいる人と下にいる人の会話が2回繰り返される。)
時に雲に覆われもするけれど、繰り返しの練習、繊細な心遣いで見れば、必ずキャッチに成功する。
それはつまり、マスクをしてても相手の顔は、心は必ず見えてくるということ。
ほぼ全編マスクで撮られたこの映画が、それを実証してもいる。
クライマックス、ほんのささやかな、なのに妨げられてきた主人公の想いが爆発して伝播していく時、猛烈なエモーションが画面に溢れ、抑えが効かず、震えながら、どうかするくらい泣いてしまった。
劇中歌でエモーション全開にする演出と、エンドロールの本編切り取りショット、そして高木正勝を思わせるharuka nakamuraの音楽は、細田守『時をかける少女』と『おおかみこどもの雨と雪』。
次々願いを込めて叫ばれる「良いお年を!」は大林宣彦『この空の花』。
想いが強烈に伝播していく様は『ちはやふる』。
学生たちの群像劇(しかも野球部と吹奏楽部!)は『桐島、部活やめるってよ』。
青春映画のエッセンスをぎゅっと詰め込んだ大大大傑作。すごい、本当にすごい。
少し飽きるくらいまで観ないと、ずっと思い返して仕事が手につかないので、まだ何回でも観にいくはず。
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