「【”コロナ禍に覆われた地球。けれども大空の星々は変わらずに私達の上で輝き続ける。”今作は、突然のコロナ禍の中、天文観測を通じて知り合った全国の天文部員の学生達の交流の物語である。】」この夏の星を見る NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”コロナ禍に覆われた地球。けれども大空の星々は変わらずに私達の上で輝き続ける。”今作は、突然のコロナ禍の中、天文観測を通じて知り合った全国の天文部員の学生達の交流の物語である。】
■2020年。突然のコロナ禍に襲われ、思うような学校生活が送れない生徒達が、天文観測を通じて、生き甲斐や友情や恋を育んで行く物語。
茨木の高校の天文部員であるアサ(桜田ひより)は、”何でうちらの代なのかな・・。”と落胆と閉塞感の中、教師から指定された星を天体望遠鏡でいち早く見つける”スターキャッチコンテスト”をオンラインで開催する事を決意する。
参加者は、長崎の五島列島、東京に広がり、コロナ禍に翻弄されながらも”一夏の交流”を深めていくのである。
◆感想
・今作の原作である小説は、中日新聞の夕刊で2021~22年に連載されたモノである。学生たちが落胆と閉塞感の中、天文学を通じて光を見つけていく群像劇である。当時、帰宅後に読んでいた事を思い出す。
・劇中では、野球部が廃部になってしまった青年が、女子生徒に天文学部に誘われて、逡巡しつつその魅力に嵌って行く姿や、五島列島の民宿を営む家の女子高生は、当時多くの田舎で散見された”東京から人を入れるな!”という嫌がらせに逢ったり、東京に下宿していた友人と会えなくなったりする。
いづれも、当時実際に在った事を想起させる。
だが、五島列島の女子学生の母は”皆、コロナが怖いだけなのよ。”と懐深い対応をするのである。
■今作が、一番刺さるのは、コロナ禍の時に学生時代を過ごした人ではないかな、と思う。大人もナカナカ大変であったが、学生たちは一生に一度の貴重な時期に人によってはクラスメイトの素顔を観た事がない人が居たり、修学旅行に行けなかったり、あらゆる思い出に残る行事が出来なかったのであるから。
・劇中の先生の台詞で”僕は失われたとか、奪われたとか言う言葉は使いたくないんです。”というモノがあったが、今作に登場する学生さん達は、苦労しながらも”スターキャッチコンテスト”にオンラインで参加する中で、確かに成長をして行くのであり、その過程が心に響くのである。
特に、五島列島の男子学生が女子学生に船に乗り込む時に友人が気を利かせて”行ってこいよ。”と送り出した時に”お前の事が好きだ。”とマスクを外して素顔で告白するシーンは、可なり沁みたな。
<今作は、突然のコロナ禍の中、天文観測を通じて知り合った全国の天文部員の高校生の交流の物語なのである。あの大変な時に青春時代を頑張って送った若者達に、”君らの未来に幸あれ!”と思った作品でもある。>
共感ありがとうございます。
茨城の天文部に二人だけ入部してきた彼等が、同志!とばかりに握手を交わすのは実際は無いと思いながら熱い演出でした。先輩がずっと丁寧語でちょっとウザかった。
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