劇場公開日 2024年11月15日

「ベンチでの2人(1話だけ3人)の会話だけだが面白い」アット・ザ・ベンチ りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ベンチでの2人(1話だけ3人)の会話だけだが面白い

2024年12月25日
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東京・二子玉川の川沿いの公園跡地に残ってる古ぼけたベンチ。
そのベンチで起きる5編のオムニバス作品。

1.残り物たち---★3.5
ある日の夕方、そのベンチにリコ(広瀬すず)が座り幼なじみの、のりくん(仲野太賀)を呼び出した。
近所に住んでて、元公園だったのに知らないうちにすべり台などの遊具が無くなった。
その事を、長年連れ添った旦那の病気に気づけなかった妻に例えたり、公園がみんなに心配かけたくなかったんでは?などと比喩して2人の何でもないトークが続く話。
これ、面白かった。多分広瀬すずも仲野太賀も好きな俳優だからかも知れないが、話してる内容が刺さった。

2.まわらない---★4
4年付き合ってる恋人同士のナナ(岸井ゆきの)とカンタ(岡山天音)にスーパーで買ってきた昼飯を食べようとそのベンチに座った。
そこで、カンタの何気ない言動に、イラッ、としながら、バイクに乗らないのにバイク乗りの格好をする、とか、テレビ出てる人をアイツと呼ぶ、とか、ナナの事を潔癖症だと思っている、などと、言い出し、別れ話を始めたところ、後ろでベンチが空くのを待っていたおじさん(荒川良々)が入ってきて3人で会話が進むという話。
ナナの言ってる事わかるわぁ、って聞いてた。でも自分でも同じような事をやってるかも、とも思って、女性のちょっとした、イラッ、を放置し、積もり積もると爆発するんだな、というのを改めて納得した。
岸井ゆきのの魅力も有り、1番面白かった。

3.まもる役割---★3.5
彼を追っかけ、家出して、彼に捨てられホームレスになった姉(今田美桜)と姉を探しに来た妹(森七菜)の会話
自分がそのベンチを守ってあげないと彼が悲しむ、とか訳わからない事を言う壊れた姉を今田美桜が熱演してた。美人なのにわざと小汚い格好で雨上がりのベンチで暴れる演技はなかなか見所だと思う。そして、久々に観た森七菜は説得力もあり可愛かった。
この2人だから観れた、と言う面もあり、ナイスキャスティング、という評価。

4.ラストシーン---★3
モノクロのシーンで始まり、ベンチの撤去をしようとしてる2人(草彅剛、吉岡里帆)は宇宙人?という設定で映画を撮っていて、神木隆之介が監督?なのかな。
これはわかりにくかった。
何かわからないが、草彅剛の真面目な公務員風の演技と吉岡里帆のとぼけた演技は面白い。

5.さびしいは続く---★3.5
1編の続き
リコ(広瀬すず)とのりくん(仲野太賀)が結婚することになり、みんないつかさよならしていく、辞める時に寂しがってもらえるようになろう、なんて何気ない会話をふたたび展開する話。
そうだよな、なんて不思議に納得してしまう良い話だった。

5編を通して、好きな俳優ばかりのキャスティングで、全女優にチェックが入ってだことに自分で驚いた。
大好きなな俳優を集めたオムニバス、すごく良かった。
もう一度観たい、と思った。

りあの
Mさんのコメント
2024年12月25日

もう一度見たらわかるか、と言われると、どうだろうなあ、という感じです。
結局、あの雰囲気が好きか嫌いかということのような気もします。
私は結構シュールな話も好きなことが多く、この4話も好きでした。
特に最後の監督とベンチの会話は、何とも言えずよかったです。
でも、この4話を理解するためだけに2000円払う価値があるかどうかは難しいところですね。
もちろん、他の好きなところを見直したいのであれば、別の話ですが。

M
Mさんのコメント
2024年12月25日

何か心に残る映画でしたね。

M