劇場公開日 2024年11月15日

「微笑ましかった笑った楽しかった」アット・ザ・ベンチ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5微笑ましかった笑った楽しかった

2024年12月2日
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鑑賞方法:映画館

短編連作がそもそも好きで、しかも生方美久が初めて書いた映画の脚本、そしてこの豪華な出演陣。観る要素しかない映画だ。
お目当ての生方美久は第1と第5編。仲野太賀、広瀬すずの2人劇。2人の会話だけで構成される話だし、ほぼほぼベンチに座ってるだけだから、2人の表情とセリフが際立つ。会話の中に垣間見える関係性や徐々ににじみ出る2人の思いがとてももどかしくて微笑ましい。少し時期を変えての第5編になるから、その関係の変化に嬉しくなる。こんな短編なのに2人に気持ちが入ってしまったことに驚く。生方美久らしい脚本だ。
でも、それだけではなかった。どれも面白いし、どれも好きな俳優さん達がイキイキと演じている。個人的には第2編がお気に入り。オチも素晴らしいと思う。岸井ゆきのが演じる彼女の言いたいこともわかるし、言ってることの理不尽さもかわいいし、3人のワチャワチャした感じがとても楽しかった。
雰囲気がまったく異なる4編(1と5は続きものだから)。ベンチにまつわるというだけのくくりで作られた短編だが、なぜか同じ空気をまとっている気がしてしまう不思議。こんな短編集をもっと観たい。そして、生方美久さんの長編映画も観てみたい

kenshuchu