「引き込むクオリティが高い映画!」他人は地獄だ nevila21さんの映画レビュー(感想・評価)
引き込むクオリティが高い映画!
予備知識なく観たが、予想の上を行く引き込まれる映画だった。センシティブなシーンが後半非常に多い印象。PG12とは何だったのか。スプラッター表現的に、どう考えても15歳もしくは18歳制限必須と思う。それを楽しみにして行っても良いレベル。作られた方の魂を感じる作品に出会えて嬉しかった。
以下、構成分解
ジャンル 組織のなかで 自分とあいつとどっちがイカれているか(本当にイカれているのは自分だった。自分の中にいる自分が敵。それの象徴がキリシマなのかも)
テーマ 他人が一番怖い
オープニングイメージ 喧嘩仲裁 ここまた後で出てくる。上手い対比
テーマの提示 タクシー運転手から
セットアップ 主人公の状況 ここで登場人物全員示唆出来てはいなかったように思う。まあ、シェアハウスだから後から誰か加わるのはいいのか。
主人公の葛藤は良い。ただ結果として殺人ハウスに結局住む選択をする動機が弱くて不自然。きっかけも1stターニングポイントも弱いので、流れで次のシーンに向かう。謎隠しがあるから、終始主人公の視点でのみの進行はダレる。センシティブなシーンで惹きつけてるから観れたが、サブプロット入れた方がいいと感じた。
ミッドポイント 危険の高まり。ここから謎明かしに入る。大体良いと思うんだが、ヒロインがもう始めのシーンで死んでいる表現は無理がある。シックスセンス以降、様々な形で死んだ人間との自然なやり取りをしようと試みているが、今回も例に漏れず失敗だ。集団催眠で説明するのは難しいよ。だって、キー人物のキリシマも存在しない人でしたで片付けようとしているんだもの。そんな、物語に魔法を2つも入れて、観ている人に信じろと言われても無理。
△ヒロインは死んでて、でも主人公は何度も現実で2人だけでやり取りするシーンがある。
△キーマンのキリシマは存在しない人物。
種明かしに次ぐ種明かしを作りたい熱意だけは伝わった。論理的に作るのって非常に難しい。破綻はあっても楽しめたし、構成は後半のサブプロットで解決していく形は勉強になったので、観れて良かった。